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「入院中の親が認知症の兆し…病院で遺言作成はできる?」

家族信託について

人気司法書士の村山澄江先生が実際に対応したトラブルケースをモデルに、解決法のヒントをお届けします。
※実際に登場する人物・所属・家族関係などはすべて架空のものです。

 

 

「認知症かもしれない親。入院中だけど早めに遺言書を作成してもらいたい!でもコロナ禍で面会もままならず…」

これは、70代のお父様を持つ50代の男性Kさんからのご相談でした。

「入院中の父に認知症の兆しがあるのですが、父名義の自宅や不動産、預金があるため、母や子供たちへどのように遺産を遺したいか父の意思を尊重できるように、認知症と診断される前に遺言書を作成してほしいと思っています。

しかし現在はコロナ禍で面会が制限されており、思うように父と話もできない状態です。今後はもっと対話する時間が限られていくと思います。父の症状が進行してしまうのも心配です。なんとかこの状況でも遺言書の作成手続きができないものでしょうか?」というご依頼者。

そもそも今の日本では、遺産を巡って家族間で争いが起こってしまうことが少なくありません。しかし、仲の良かった家族の間で遺産を巡って骨肉の争いに発展してしまうことはできるだけ避けたいものです。

遺言はそういった争いを防止するため、遺言者自らが自分の財産を誰に渡したいかをあらかじめ決めておき、遺産を巡る争いを未然に回避する効果があります。

遺言書には大きく分けると、本人が自筆で書く「自筆証書遺言」と、本人の嘱託により公証人が関与して作成する

「公正証書遺言」の2種類があります。

公正証書遺言は公証人に加えて証人2名の立ち会いの下、作成されます。

入院中の病院は、コロナ禍で面会時間に限りがあり、思うようにお父様とお話ができない状況でしたが、病院の方によると、お父様がご自身の相続について気にしているとのことで、Kさんはどうしたらいいのかお困りの状況でした。

そもそも病院で遺言書を作成できるのか?という不安もあったようです。

■入院中の病室にて公証人立ち会いのもとで遺言書を作成

入院中に遺言書を遺す場合には、公証人という中立的な専門家が関与して作成する「公正証書遺言」のほうが方式不備によって無効となることもなく、遺言書の有効性を問われることが少ないため、安全だということを、Kさんはご存知でした。

公証人は病院や自宅などに出張することができるため、入院中でも作成することは可能です。

そこで今回は、Kさんのお父様が入院中の病室にて、主治医許可のもと、司法書士、公証人、証人の立ち会いによって公正証書遺言を作成しました。

◎豆知識:

公正証書遺言の作成には証人2人の立ち合いが必要です。

遺言者と一緒に証人2人が公証役場(もしくは自宅や病院、出張先でも可能)に同行し、公証人から遺言書の内容を読み聞かせを受けて内容を遺言者と一緒に確認、遺言書の原本に署名・押印をします。証人の印鑑は認印で問題ありません。

証人の住所・氏名・生年月日も遺言書に記載されるため、事前に公証人に情報を伝えておきます。

遺言書作成の当日は、遺言者、証人2人、公証人の4人が揃って遺言書を作成することになります。

法律上、証人になれない人がいます。

以下の方(一例です)は証人になれないという決まりがあります。(詳しくは民法974条)

①未成年者

②将来の相続人(遺言で財産を受け取る人及びその配偶者と直系血族など)

●身近な人で証人がいない!という場合はどうしたらいい?

証人を依頼できる人がいない場合は、1人あたり6,000円程度の費用で公証役場に紹介してもらうこともできます。

また、公正証書遺言の作成を司法書士などに依頼した場合、司法書士や司法書士事務所の方が証人となることも

多いようです。

■まとめ

入院中であっても、公証人の出張により病室で遺言書の作成が可能です。

また、たとえ認知症の兆しが多少あっても、主治医によって遺言をするに足りる判断能力があると判断されれば遺言作成は可能です。

できるだけご本人の意思が尊重できる方法を心がけましょう。

現在はコロナ禍により通常とは異なる状況にあるケースも多いものです。

いかなる場合であっても、何らかの手立てはあります。まずは一旦、専門家に手段を相談してみましょう。

 

 

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