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「気象病」知ってる? 台風や大雨と心身の不調

台風が来ると体調が悪くなると感じたことはありませんか。台風は多くの災害をもたらしますが、私たちの身体にもさまざまな影響を及ぼします。その症状は気圧変化による頭痛や身体のだるさだけでなく、喘息や気持ちの落ち込みなど多岐にわたります。なぜそのような症状が起るのか、またどのように対処すればよいかについてお伝えします。

この記事の目次

1.台風の仕組み

熱帯または亜熱帯地方で発生する低気圧である「熱帯低気圧」の中で、北西太平洋に存在し、かつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上のものを「台風」と呼びます。

台風は地球の自転の影響によって反時計回りに回転し、太平洋高気圧の縁を回るようにして西から北西に進みます。その後、上空の風や周囲の気圧配置の影響を受けて、北寄りや北東へ進路を変えることがあります。

では、台風はどのように発生するのでしょうか。

太陽の熱で温められた海水が蒸発して水蒸気になります。

台風の発生場所である熱帯・亜熱帯地域は気温が高いため、大気中に多くの水蒸気が含まれています。

まとまった水蒸気は反時計回りに渦を巻きながら上昇していきます。

上昇した水蒸気は、上空の冷たい空気に冷やされ水滴となって雲になります。

強い上昇気流が発生していると、そこに湿った空気が続々と流れ込んで積乱雲ができます。この積乱雲が次々と発生・発達することで、台風へと成長していくのです。

2.台風による身体への影響

台風による急激な気圧変化や高湿度は、身体の調整機能に負担をかけ自律神経のバランスを乱します。

気圧が低下すると血管は拡張しますが、自律神経による調整が追いつかない場合、頭痛や肩こり、めまい、喘息の悪化などさまざまな症状が出現します。

起りやすい症状とその原因は以下のとおりです。

・頭痛:脳の血管が拡張し、神経が刺激される

・肩こり:血管の拡張、肩・首周りの筋緊張、湿度により筋肉がこわばる

・めまい:気圧変化を感知する内耳の平衡感覚が乱れる

・喘息:気圧低下により気道粘膜がむくみ、血管の緊張により気道が狭くなる

特に台風など悪天候では雷鳴喘息を起こしやすくなります。

これは、湿度や風の影響で膨張・破裂した花粉が、微細な粒子(マイクロ花粉)となって気道の奥まで入り込みやすくなるためです。

また曇天や雨の日が長く続くと、メンタルに不調が現れることもあります。

日照時間の低下に加え、台風の影響で外出が制限されることにより、閉じ込められたような感覚から不安感や孤独感に陥りやすくなることが要因とされています。

10歳代から60歳代の227名を対象にインターネットで実施された「台風による不調」に関するアンケート調査結果では、台風シーズンに身体の不調を感じる人は80%以上にのぼり、多くの人が仕事や生活に影響を感じていました。

不調の内容は第1位が頭痛・偏頭痛、2位倦怠感・だるさ、3位睡眠の乱れ、4位以下はめまい、耳鳴り、関節痛・腰痛と続きます。

また、メンタルの不調を感じている人も70%を越えており、内容は「気分の落ち込み」「疲れやすい」「気力が出ない」などが上位でした。

メンタルの不調は周囲に理解されにくく、自分を責めてしまいがちになるため注意が必要です。
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3.災害時のストレス

台風は気象の影響だけでなく、規模や進路によって大きな被害をもたらします。

豪雨や暴風、高潮などにより自宅での生活が困難になり、避難を余儀なくされることもあるでしょう。

体調がすぐれない中で、命の危険にさらされる不安を抱えながら、快適とは言えない環境で不特定多数の人と長時間過ごすことは、大きなストレスとなります。

その結果、イライラや食欲不振、睡眠障害などにつながることがあります。

また、過去に台風被害を経験した人では、その記憶がよみがえり、より強い不安や動悸、不眠などの身体症状を起こすこともあります。

さらに、台風シーズンは気温と湿度が高く、風雨で換気ができないことから、熱中症のリスクも高まります。

狭い空間にいて長時間同じ姿勢をとり、水分摂取を控えることで、深部静脈血栓症や肺塞栓症(いわゆるエコノミー症候群)の危険性も高まります。

4.台風への備え

台風シーズンに限らず、日頃から自律神経のバランスを整えておくことが重要です。

そのうえで、以下のような備えを行いましょう。

①情報収集と安全確保

台風情報を把握し、安全に過ごせる環境を整えましょう。

風に飛ばされやすい物を屋内に片付け、排水口の掃除を行います。

雨戸がない窓はカーテンを閉め、窓から離れた場所で過ごすことが大切です。

筆者には、子供の頃に台風の際、自宅2階の窓が割れた経験があります。

幸い怪我をした者はありませんでしたが、ガラス片による怪我を防ぐためにもスリッパの着用は重要です。

②心身の備え

気圧変動による頭痛が予想される人は頭痛薬を準備し、予防薬がある場合は早めに服用しましょう。

耳を温める、耳たぶを上下に引っ張ったり回すなどのマッサージも有効です。

外出できないストレスや不安に対しては、ストレッチや深呼吸、瞑想などのリラクゼーションを取り入れましょう。

読書や趣味の時間を持つのも良い方法です。

③ライフライン停止時への備え

停電や断水に備え、飲料水・食品のほか、携帯ラジオ、懐中電灯、モバイルバッテリー、カセットコンロを準備しておきましょう。

④避難経路の確認

避難場所や緊急連絡先、避難のタイミング、持ち出す物品を事前に確認しておきましょう。普段服用しているお薬を忘れないことも重要です。建物, 籠, 時計 が含まれている画像

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入念な準備は不安の軽減につながります。

  

まとめ

台風は気圧や湿度の変化による影響に加え、災害に遭う可能性も考慮する必要があります。特殊な生活環境が数日間続くこともあるため、日頃から心身の健康を保ち、環境変化に対応できる力を養っておくことが大切です。特に規則正しい生活習慣を心がけ、できることから取り組んでいきたいですね。

引用・参考資料

日本気象協会

環境相 勢力を増す台風

東京都

台風シーズンとうつ病—天候と精神的ストレスの関係性

就労移行支援manaby

茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック

この記事を書いた人

看護師:青木容子 看護師経験30年 (病院勤務通算8年、身体障害者施設3年、訪問看護15年、そのほか新生児訪問指導など) 現在は特別養護老人ホームなどで勤務する傍らCANNUS新長田を運営中。 紙屋克子氏らから、NICD:意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者への生活行動回復看護を、黒岩恭子氏からは黒岩メソッドを学び、実践するとともにそれらの普及を目指している。

看護師:青木 容子
〈プロフィール〉

看護師経験30年

(病院勤務通算8年、身体障害者施設3年、訪問看護15年、そのほか新生児訪問指導など)

現在は特別養護老人ホームなどで勤務する傍らCANNUS新長田を運営中。

紙屋克子氏らから、NICD:意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者への生活行動回復看護を、黒岩恭子氏からは黒岩メソッドを学び、実践するとともにそれらの普及を目指している。

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