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手首の痛みは腱鞘炎だけではない!

毎日の生活の中で歯を磨く、食事をする、スマートフォン操作など手首は休みなく動き続けています。「腫れて痛みが出てきた!」「ジンジンしびれている!」といった症状が出てきたら、手首を酷使しているサインかも知れません。

この痛みが腱鞘炎だと思っていたら、思わぬ病気だったということも充分にあり得ることです。痛みが重症にならないよう、セルフチェックと対処法をお伝えします。

この記事の目次

1.手首が痛くなる原因

手首から指先まではいくつもの関節があり、筋肉や靭帯、神経と複雑に絡み合っています。

筋肉の端と骨のつなぎ目には腱というコラーゲン繊維の束(ひも状)があり関節が負担なく動かせるようにバネのような役目をしています。

腱はスムーズに動かせるように腱鞘というトンネルに包まれています。腱鞘は滑液で満たされた『滑性膜腱鞘』とそれを覆う『靭帯性腱鞘』の二層の構造によって腱の引っ掛かりを防いでいます。

腱鞘は指の関節の付け根や手首(親指側)など腱を繰り返し動かす部分にあるため簡単に痛みや腫れが出ない構造になっています。

しかし、一日中パソコン作業や長時間のスマートフォン操作など、手指や手首を使い過ぎると腱鞘炎を発症しやすくなります。

腱鞘炎は、部位によって『ドケルバン病』『ばね指』に分けられますが、この二つは以下のチェック方法で確認することが出来ます。

2.これって腱鞘炎?腱鞘炎のチェック法

●ドケルバン病

ドケルバン病はスマホ腱鞘炎と呼ばれるほど、親指から手首を酷使している人に多くみられます。手首の親指側に痛みや腫れを生じるため親指を握った状態で痛みを強く感じるかを見る『フィンケルシュタインテスト』があります。

●ばね指

ばね指は指の腱鞘炎です。進行すると指が曲がったまま戻らなくなりますが、無理に戻そうと力を入れると、ばねのように跳ね返る特徴があります。

痛みが強い場合は、痛い指をかばい手首の方を動かすようになるためドケルバン病と連動することがあります。

普段から指を使う人は次のセルフチェックで確認しましょう。

このチェックに当てはまる人は、ばね指を発症している可能性があるため早めの受診をお勧めします。

次に、腱鞘炎以外でも手首が痛くなる病気がありますので確認しましょう。

3.腱鞘炎以外の手首が痛む病気とセルフチェック

●TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体)

TFCCとは手首の小指側にある靭帯と繊維軟骨の複合体です。橈骨と尺骨をつなぐ靭帯やクッションのような役目を果たしています。

TFCC損傷は手首の小さい軟骨や靭帯を損傷することで起こります。

TFCC損傷のセルフチェックは以下のような症状が当てはまります。

・ドアノブやペットボトルのキャップを回すとズキッと痛む

・料理をする時、フライパンを持つ、包丁を使うなどの動きで痛くなる

・特に手首の小指側が痛い

このような症状があればTFCC損傷の可能性があります。

●橈骨遠位端骨折

転んで手をついた時に親指側にある橈骨の先端が折れてしまう手首の骨折です。

この骨折は60~70代の女性に非常に多く、閉経後の骨粗しょう症が原因だと言われており、軽く手をついただけでも骨折する可能性があります。

そのため、腫れや痛みが我慢できる程度であれば「軽い捻挫だ」と思い込んでしまい、骨折に気づかない場合もあります。

骨折を放置すると骨の変形や合併症を起こすこともあるため、転倒して手をついてしまった、手首に衝撃を加えてしまったという方は必ず以下のチェック項目を確認しましょう。

・手首付近が腫れて熱を持っている

・しびれている

・手首を曲げること、手のひらを反す運動ができない

・物がつまみにくい

・親指が痛くて伸ばせない

ひとつでも当てはまる場合は受診をお勧めします。

●関節リウマチ

関節リウマチは手指にだけ症状が出る腱鞘炎とは違って、全身の関節に症状が出現する自己免疫疾患です。

始めに両手指の関節が対照的に腫れて起床時にこわばりを感じるようになります。

特に指の付け根、指先から2番目の関節に痛みや腫れが出現するようになり、数か月後に手首の関節や足の関節にも症状が現れ、次第に指の関節が変形していきます。

痛みや腫れは治まることもありますが、症状を繰り返しながら慢性化していきます。

関節リウマチは女性に発症しやすい病気です。特に30~50代の女性や更年期前後に発症しやすいのが特徴です。

関節リウマチを発症すると微熱が出る場合がありますが合併症を伴うと38.0℃まで熱が上昇することがあります。そのような時は迷わず受診をしましょう。

4.手首が痛い時の対処法

手首が痛くなる原因は、手首の使い過ぎ・ケガによるもの・病気によるものに分けることが出来ます。

病気やけがによる痛みは受診し、症状に合った治療を行う必要がありますが、手首を酷使したことによる腱鞘炎については予防法や対処法がありますので確認していきましょう。

●手首を休める時間をつくる

手首の痛みはパソコンやスマートフォンの文字入力や料理、掃除、育児など避けられないことも多いと思います。しかし、いつもより手首を休める、という事を意識するだけで5年、10年後の状態が変わっていきます。

例えば、パソコンを使う時は1時間おきに休憩をする、掃除の回数は週に何回と決めて自分なりのルールをつくると良いでしょう。

●手首のストレッチをする

手首のストレッチは血液循環を促し筋肉や腱の緊張を和らげます。手首を軽く伸ばす、回すなど簡単に出来るストレッチを毎日行うようにしましょう。

●手首に負担をかけない姿勢

手首に負担をかけないためには力を抜くという事が大切です。デスクワークの際は、前腕から一直線になるようにして、自然な角度を保つと手首の負担が軽減できます。

脇を締めて手首の角度を90度~110度に保ち、手首が上下左右に曲がらないようにすると良いでしょう。

●手首の保護をする

サポーターやテーピングを使用して手首の動かせる範囲を制限すると、手首の負担を抑えることが出来ます。パソコンを使用する際は手首を支えてくれるリストレストを設置すると手首の痛みや負担が軽減できます。

●痛みを我慢しない

痛みやしびれが続く場合、我慢は禁物です。整形外科などの専門機関を早めに受診することが大切です。

5.まとめ

手首の痛みは日常生活に支障をきたす厄介な症状です。しかし、ほとんどの場合が手首や指の使い過ぎが原因ですから、日頃どのように動かしているかを意識にあげて、酷使しない使い方、日常生活の工夫に努めていきましょう。症状によってはケガや病気が原因の場合もあるため「たかが腱鞘炎!」と思わずに早めに受診し適切な対応を選択していきましょう。

参考文献

『木曾川たけもと整形外科』

『HOMER ION』


この記事を書いた人

福井三賀子 <プロフィール> 小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。 同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。 結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。 在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。 現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。 <経歴> 看護師経験20年。 外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来) 介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム) 介護支援専門員6年 <資格> 看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター <活動> 講座「更年期は黄金期」 ブログ「幸せな更年期への道のり」 メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」 スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」

福井三賀子

<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。

結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。

在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。

<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年

<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター

<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」

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