
顔は外気に一番触れるところです。日常生活の中で、皮脂や汗、ほこりなどの汚れが知らないうちに付着しているので、汚れを放っておくと雑菌が繁殖して吹き出物や肌荒れといったトラブルにもなりかねません。
汚れをきれいに取り除こうと思っても、間違った洗顔方法では肌の乾燥やしわ、たるみの原因になってしまいます。
そのようなトラブルを防ぐために、正しい洗顔方法と保湿についてお伝えします。
この記事の目次
1.洗顔の目的
洗顔は、たいてい朝晩の日課になっていることが多いため、帰宅時間が遅くても「しなければ!」という思いで適当に済ませている人も多いのではないでしょうか。
しかし、健康な皮膚を保つために洗顔はとても大切なのです。
洗顔の役割は汚れを落とすという非常にシンプルなものですが、その方法は年齢、肌質、生活スタイルによって変わるために、誤った方法で行いやすいという難点があります。
誤った方法を続けていると皮膚はダメージを受けて乾燥や湿疹、くすみなどのトラブルを起こしやすくなります。
●年齢や生活スタイルで変わる洗顔の目的
思春期はニキビに悩まされる方も多いと思いますが、その原因は性ホルモンの影響で皮脂の分泌が活発になることです。皮脂をそのままにすると、毛穴が詰り皮膚呼吸ができにくくなりますが、酸素の少ない環境を好むのがアクネ菌(キューティバクテリウムアクネス)です。
思春期の洗顔の目的は、皮脂を落として毛穴のつまりを予防することが第一です。
アクネ菌が増殖しにくい環境をつくることで、思春期の肌トラブルを予防することができます。
それとは逆に年齢を重ねるたびに皮脂の分泌が少なくなります。肌のターンオーバーが低下すると、古い角質を取り除くことが難しくなります。そうするとバリア機能が低下するため、中高年の方は皮膚に負担をかけない洗顔方法が重要となります。
また、お化粧をしているか、使用する化粧品によっても洗顔方法が異なります。それぞれに合った洗顔方法を行うことによって肌の再生能力を促すことができます。
2.間違った洗顔方法について
上記の洗顔の目的を踏まえて、間違った洗顔方法についてお伝えします。普段行っている洗顔方法と比べてみましょう。
①年齢や肌質にあった洗顔料を使っていない
皮脂や汚れをしっかり落とすためには、洗顔料を泡立てて汚れを浮かすことが重要です。
特に思春期の皮膚は皮脂が多いため、水だけでは皮脂や汚れを落とすことができません。
お化粧をしている肌も同様に、肌に残った汚れがニキビや湿疹の原因にならないよう、肌質にあった洗顔料を使用し、しっかりと泡立てて泡で汚れを浮かすことを意識しましょう。
②お湯の温度が適温ではない
洗顔時のお湯の温度は33~35℃が適温です。それ以上の温度であれば必要な皮脂まで落としてしまい、肌の乾燥につながります。必ず適温を守るようにしましょう。
③すすぎ残しがある
せっかく汚れを落としたと思っても、洗顔料が残っていると洗顔料の成分が刺激となり肌トラブルを引き起こすことにつながります。
皮膚の汚れは泡で浮かして落ちるため、結局汚れも洗顔料も落とし切れていないことになってしまいます。
特に小鼻の周りやあごは、すすぎ残りしやすい場所であるため、丁寧にすすぐようにしましょう。
④力を入れすぎる
皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織と3重構造になっています。力を入れてこすると、摩擦によって皮膚のバリア機能がダメージを受けてしまいます。その結果、外的な刺激に対して敏感になり、乾燥が進み、ごわつきや小じわの原因になってしまいます。
また、紫外線の影響を受けやすくなるため、シミの原因にもなりかねません。特に目の周りの皮膚は、非常に薄いので、丁寧にやさしく洗う必要があります。
上記を踏まえて、次に正しい洗顔方法についてみていきましょう。
3.正しい洗顔方法の手順
①表皮についたほこりや汗をかるく水やぬるま湯で流します。
②洗顔料を適量手のひらにとり、水を含ませて泡立てます。
③泡で顔全体を包み込むようにして、しばらく汚れと泡を馴染ませます。
④脂の多い額や鼻のまわり、あごを中心にして泡の上からやさしく丁寧に洗います。
※指がなるべく皮膚に触れないようにしてください!
➄33~35℃のぬるま湯で丁寧に泡をすすぎます。最後に常温の水ですすぐとスッキリします。
⑥清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取ります。
きれいに洗った皮膚に充分な水分を与えるためには、蒸発を防ぐことが必要です。
次に、正しい保湿方法についてみていきましょう。
4.正しい保湿方法について
皮膚が潤いを保持するところは角質層です。角質層が、①水分を吸収し保持する②水分と油分のバランスを保つ③水分の蒸発を防ぐこの3つの働きができると潤いのある肌を保つことができます。3つの働きを活性させるために、次の①~③を参考にしてください。
1.肌質にあった化粧水を選ぶ
水分を肌に吸収させるためには肌質にあった化粧水を選ぶことが重要です。中高年になると、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドといったもともと持っている保湿効果を高める成分が不足してきます。
コラーゲン・・・皮膚に張りや弾力を与える
ヒアルロン酸・・・コラーゲン同士をつなぎとめる・水分を保持する
セラミド・・・肌の保水力と保持する働きを保つ
乾燥が気になる、ツッパリ感がある人は、このような3つの成分の入っている商品を取り入れると良いでしょう。
2.正しい順番で保湿を行う
基本的には洗顔後に化粧水で水分を補い乳液水分を閉じ込めていきます。化粧水は保湿と同時に洗顔後の肌のpHを弱酸性に戻す役割があります。乳液は、角質層に浸透し保湿膜をつくり、潤い成分が逃げないように働きます。
化粧水や乳液を付ける時は『コットン』や『手のひら』を使いトントンとやさしくなじませていきましょう。
化粧水、乳液ともに乾燥しやすい順番に頬→額→目の周り→鼻→口もと→フェイスライン→首の順番におこないます。
顔の中心から外側に、下から上に向かってやさしく馴染ませましょう。
3.皮膚の状態にあった製品を使用する
化粧水や乳液は香料や保存料が入っているものがあります。刺激に敏感な人、アレルギー体質の人は薬局など購入する店舗でサンプルがある場合もありますのでお店の人に確認すると良いと思います。
5.まとめ
日頃、当たり前にしている習慣でもその目的を確認することで、行動のずれを修正することができます。洗顔や保湿もそれと同じく、年齢や生活スタイルによって方法を変えていくのが肌の健康を保つための大切なポイントだと思います。
今回お伝えしたことを参考にしながら最適な洗顔方法と保湿について見直す機会にされると良いですね。
この記事を書いた人
福井三賀子
<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。
結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。
在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。
<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年
<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター
<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」