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大腸ポリープ⑤-大腸ポリープを採った後に気を付けたいこと

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大腸ポリープを採った後に気を付けたいこと

私の母は放射線外来勤務の看護師でした。つまり、大腸ポリープの検査担当だったのです。私は消化器内科病棟の看護師でした。大腸ポリープを切除した その時、その後、どんなことに注意するべきなのか。母と二人で話していて、「こんな患者さんいた。」「うちも、同じ感じの人いたよ。」と話していて、気付いたことをお伝えします。

1.安静はいつまで?

術後、安静の時間は

1)外来で検査のついで(言い方が悪いかもしれないですが)に切除した場合

2)入院して切除した場合

検査の状況によって、医師の見立て(指示)が変わります。言い換えれば医師は一人一人に合った安静時間を指示しているのです。

 1)外来での大腸ポリープ検査の際に、切除出来るサイズや形状のものは医師の判断で切除します。せっかく検査をしているのに、ポリープを残しておいて「癌化」してしまってはいけないので、検査のついでに取ります。

 この場合は、安静にするのは検査後に麻酔が覚めて、歩行や受け答えなど通常通りに出来ると判断してから、帰宅となります。

2)入院して切除した場合

外来で切除することができる検査・切除術をわざわざ入院して行うという事は何かしら事前に準備が必要だったり、切除するポリープが難しい状態の物、例えば数が多かったり、形状がいびつである、位置や場所が難解だったりなどの理由があります。

または出血が多くなるかもしれなかったり、麻酔が切れにくかったり、それぞれに理由がありますが切除後、安心できるまでは安静を強いられます。と言っても、検査が終了した後、ストレッチャーや車いすで病室へ移動し、麻酔が完全に切れるまでは安静に臥床していてもらうのです。トイレなどの場合は、看護師が付き添えるようにナースコールを押してもらいます。翌朝まで様子を見て出血などなければ退院となります。

どちらの場合も、麻酔が切れて動けるようになったら、安静は解除です。

2.仕事は?運動は?

仕事や運動は、その程度によりますが、立ったり、座ったりのデスクワークなど、激しくないものは、翌日から出来ます。下腹部に圧がかかる動きの多い仕事や運動は2~3日は出来ません。大腸内のポリープを切除したことで、下腹部に力を入れると再出血する可能性があります。そのため出血を促す動きは良くありません。人間 大腸 に対する画像結果

実際に再出血した人は、母が勤務していた時にも、私が病棟勤務していた時にもいました。

時代が違うし、医療も進んでいるのに同じように再出血した人がいるのです。
仕事が忙しいからとか、普段となんの変化もないからと、腹圧をかける動きをしないようにしましょう。

また、当日は、シャワー浴とし、長い時間をかけずに入る様にしましょう。シャワーや入浴は血行を良くしますので、出血しやすくなります。

ポリープ切除は、大腸内にひっかき傷を作るようなイメージです。切除する際に、焼いて傷口を止めますし、クリップを使う場合もありますが、いずれにしても傷です。

その傷が治るまでは、力を入れたり、擦ったりしない方がいいのです。

おすすめ関連リンク:「自宅でカンタン!大腸がん検査キット」

3.食事は何を食べて良くて、ダメなものは何?

切除後の食事は、消化の良い形状にしたものを、術後決められた時間を空けてから開始します。胃腸内は手術の為に空っぽになっていますし、切除後は固形物を食べることで大腸内の出血を促す可能性があるためです。

お粥、うどん、豆腐、ゼリーやプリン、ヨーグルトなどが切除部に負担をかけなくて良いです。食べた後、腹痛や出血がないことを確認し、一週間ほどかけて通常の食事に戻していきましょう。

反対に食べてはいけないものは、繊維質の多い野菜や果物、脂っこい物、刺激の強い香辛料の入った食べ物です。生ものや肉類、揚げ物、ラーメンなどはできれば、一週間は我慢したほうが良いですね。

アルコールは血流をよくするため、出血しやすくなります。同様に時間を空けて飲むようにします。また、炭酸飲料水も刺激になりますので避けるようにしましょう。

関連する画像の詳細をご覧ください。内視鏡検査でのお食事について|CPC大腸・胃内視鏡クリニック|横浜市中区

こちらは消化の悪いもの、一週間過ぎてからなら食べても問題ありません。

4.まとめ

ポリープ切除は、大腸カメラで大腸内のポリープを採るだけですから、日帰りでも出来る簡単な手術と言えます。

しかし、ポリープを採るということは傷を付けているわけなので、そのあとの管理をきちんとしなければ、「出血して再手術」という事にもなり兼ねないのです。

実際に、外来看護師だった母も、病棟看護師だった私も

再出血になった方を見ています。検査の前の説明では「ほぼありません」と聞かされますが、違う病院で、働いていた年代も違う私たちがどちらも見たことがあるという事は、

「無きにしも非ず」ということです。

ですから「軽く考えてはいけませんよ」と、お伝えしておきます。

私が見た方は、検査の翌朝、お腹の痛みは無かったので無事に退院したのですが、その退院した日の夜に、腹痛を訴えて電話がかかってきました。

退院した患者様には「何かありましたらいつでも電話してくださいね」と伝えていますので、電話をくださったのですが、「お腹が痛い。便に血液が混じっていて、赤い。」と言われました。そして、外来を経て、経過をみるために入院になり、夜が明けた翌日に再検査です。

検査に行く前に私にその患者様が話してくれました。

「実は検査の日の夜中に食べてしまったんだ。お腹がすいていて、持ち込んだものを」と。

もちろん、隠しておけないので医師へ報告し、再検査して、ポリープを採った部分からの出血が確認出来て、事なきを得ました。

いったい何を食べたのだと思いますか?

答えは「ポテトチップ」でした。脂っこくて、消化の悪い加工品です。そしてポテトチップは尖っています。よく噛んで食べても、完全には尖った部分が無くなっていなかったようで、傷口に当たり、出血してしまったという、ただ普通にしていれば何もなかった出来事でした。

もちろん、その方が医師からさんざん注意を受けたことは想像つきますよね?

そんな、取るに足らないことを皆さんがするとは思えないので、こちらに例として出しました。大腸ポリープ切除術、注意事項をきちんと守れば怖くない治療です。

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この記事を書いた人

看護師:栗巣正子 <経歴> 看護師歴 23年  大阪府堺市で、50床~2000床の病院勤務(内科、外科、手術室、整形外科、療養病棟)。 離婚後、鹿児島県鹿屋市にて、老人保健施設、透析専門クリニックに勤務 大手生命保険会社に、営業主任として3年勤めた後、地域密着型の内科総合病院に17年(介護保険病棟、療養病棟、急性期病棟、心臓内科、腎臓内科、肝臓内科、消化器内科、呼吸器内科、腹膜透析、血液透析、外来、救急外来、訪問看護)勤める。 現在は、派遣ナース、非常勤での健診スタッフ、訪問看護指示書作成等の委託業務、ナース家政婦登録 <資格> 正看護師/普通自動車免許/大型自動車免許/けん引免許/たん吸引指導者/ペットセーバー/労災ホームヘルパー(A)

看護師:栗巣正子

<経歴>
看護師歴 23年 
大阪府堺市で、50床~2000床の病院勤務(内科、外科、手術室、整形外科、療養病棟)。

離婚後、鹿児島県鹿屋市にて、老人保健施設、透析専門クリニックに勤務

大手生命保険会社に、営業主任として3年勤めた後、地域密着型の内科総合病院に17年(介護保険病棟、療養病棟、急性期病棟、心臓内科、腎臓内科、肝臓内科、消化器内科、呼吸器内科、腹膜透析、血液透析、外来、救急外来、訪問看護)勤める。

現在は、派遣ナース、非常勤での健診スタッフ、訪問看護指示書作成等の委託業務、ナース家政婦登録

<資格>
正看護師/普通自動車免許/大型自動車免許/けん引免許/たん吸引指導者/ペットセーバー/労災ホームヘルパー(A)

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