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家族介護で知っておきたい身体の使い方とケア

家族の介護や入院付き添いでは、前かがみ・中腰・支える動作が続き、肩や腰に負担がたまりやすくなります。介護をしていると、自分の体のことは後回しになりがちです。疲れが毎日に影響しはじめると、気持ちの余裕が減り、介護全体がつらく感じられることもあります。

この記事では、身体の負担を軽くする考え方と、ケアの一例を紹介します。誰でも日常に取り入れやすい内容に限定しました。最後に、動画も掲載しています。

この記事の目次

1. なぜ介護は肩と腰に負担がかかりやすいのか

家族介護は、普段の生活とは違う姿勢や動作が増えることが特徴です。特に、以下のような動きが重なりやすく、負担が積み重なります。

①前かがみで行う作業

人間の頭・上半身は重い、その重さを腰の筋肉・背骨周りが支えなければいけない(前に倒れるほど重い)

一般的に、成人の 上半身(頭・腕・胸部・腹部) の重さは体重の約50〜60%程度 と言われています。例えば体重60㎏の人だと上半身で30~36㎏あります。

立位の自然な姿勢 → 腰の負担は体重の1倍程度

・30度前傾 → 約1.5〜2倍の負担(45~60㎏)

・60度前傾 → 約3倍以上の負担(90㎏以上

つまり、ほんの少し前かがみになるだけで 腰が支える重量が一気に増える ため、腰痛が起きやすくなります。

②ベッドへ近づくときの中腰

膝を曲げ、背中を前に倒す“非効率な姿勢”で筋肉が緊張する

中腰は、

・太もも

・腰の筋肉

・お腹の筋肉


これらの筋肉が頑張って姿勢を固定しています。特に腰の筋肉は 姿勢を保つために常に力を入れ続ける状態 になり、疲労が一気に蓄積します。

③.体を支えるための踏ん張り

重心がずれると、それを補うのが「腰」と「肩」

踏ん張る場面は、多くの場合

・利用者の体重が予想より重い

・動きが不意に変わる

・自分の体勢が悪い


などで、重心のバランスが崩れます。重心がずれた時、それを支えて倒れないようにするのが腰まわりの筋肉肩・上背部の筋肉

そのため、踏ん張り=重心補正の動きになり、結果的に腰と肩に大きな負担が集中します。

2. 今日からできる3つの簡単セルフケア

①腰、背中

大事な腰、背中は緊張をリセット

1.四つ這いになる

2.息を吐きながら背中を丸める(猫のポーズ)

3.息を吸いながら背中を反らす(牛のポーズ)
10回ゆっくり

ポイント:腰だけでなく背骨全体が動くように。

②肩

肩回りのストレッチ (ポイント:肩だけでなく 肩甲骨ごと 動かすイメージで。)

1.両肩を耳に近づけるように上げる

2.後ろに大きく回し下ろす

3.前回し・後ろ回しを各10回

③脚

太ももの裏ストレッチ

1.片足を一歩前に出す

2.前の足を軽く伸ばして腰から倒す
左右20〜30秒

まとめ

介護者は疲労が蓄積しやすいため、短時間でも頻度が重要です。

■起床後:腰・背中ストレッチ(体を起こす準備)

■合間:肩回し(負担が溜まる前にリセット)

■夜:太もも裏(回復モードへ)

1回5分でも十分ケアになります。

この3種のケアを意識するだけでも、毎日の疲れは軽くできます。無理のない範囲で、ご自身のペースに合わせて取り入れてください。 

(おうちでカラダファクトリーでは、お悩み事にケア動画がアップされております)

参考文献

資料名: 姿勢の変化による腰部筋活動の変化

資料名:介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ

筆者紹介

町村 勇樹(まちむら ゆうき)

整体×骨盤 カラダファクトリー(株式会社ファクトリージャパングループ所属)

整体師歴17年以上。技術研修・店舗管理・動画発信など幅広く活動。技術コンテスト複数受賞。FJG技術ランク:エグゼクティブボディトレーナー。

鹿児島県の与論島出身。大阪リゾート&スポーツ学校を卒業。2008年4月新卒で株式会社ファクトリージャパングループ入社。カラダファクトリー川崎店・本厚木店などの複数店舗店長経験を経て、ファクトリージャパングループが開催する全社技術コンテスト「匠の技コンテスト」にて複数回にわたり施術家トップMVPを受賞し、「殿堂入り」となる。 その後、営業部支部長を経て、2019年7月より教育・ES部マネージャー(現任)。 新入社員の研修担当や、既存スタッフのランクアップ技術研修などに携わっている。2025年1月より統括店長として4店舗を管轄(現任)。

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