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看護師がわかりやすく解説! 小児医療③ こどもがかかりやすい感染症について
【子どもの感染症(発熱・けいれん)】 子どもは大人に比べて、びっくりするぐらい感染症にかかり、熱を出します。その時何が起きていて、どのように対処すべきか分から…
「保護者の方から見て、何か変だと感じたら受診してください。」
そう言われたことはありませんか?
「何か変って、どういうことだろう?」
困ってしまう保護者は多いのではないでしょうか?
この記事では、子どもを病院へ連れていく目安やタイミング、対応のポイントをお伝えします。
この記事の目次
1 なぜ「何か変だと感じたら受診してください」と伝えるのか?
子どもは自分の症状を伝えることが難しいからです。
言葉に関して、個人差があるため一概には言えませんが、「ブーブー、きた」というような2語文が出来るようになるのは2歳頃と言われています。
そして、それから少しずつ会話のキャッチボールが出来るようになってきます。
子どもが「おなかがいたい」と話しても、本当にお腹が痛いとは限りません。
そもそも、子どもが言う「おなか」とはいったいどこの部分を指すのでしょうか?
胃の部分、胸の部分でしょうか。それとも、腸の部分でしょうか。
そして、本当に「いたい」のでしょうか?もしかしたら、気持ち悪いのかもしれません。
痒いのかもしれません。
子どもは体の不快感を「いたい」と表現することもあります。
どの程度「いたい」のか。
それを表現することも子どもにとっては難しいことです。
しくしく痛むのか、ジーンと痛むのか、それともズキズキと痛むのか。
そして、少し我慢出来る程度の痛みなのか、我慢出来ないほどの痛みなのか。
子どもにとって、自分自身の症状を大人に分かりやすく伝えることは難しいことなのです。
そのため、「何か変だな」「いつもと違うな」ということに敏感になり、子どもの体調を察知する必要があります。
2 受診するタイミングや目安を知るWebサイトや相談窓口の活用
子どもの症状によって、受診した方が良いのか、それとも救急車を呼んで病院へ行った方が良いのか変わってきます。その判断はとても難しく、判断に困ります。
困った時や悩んだ時、受診のタイミングや目安を教えてくれる便利なアプリやWebサイトを活用しましょう。
①日本小児科学会「こどもの救急」
日本小児科学会が運営しているサイトです。
生後1か月から6歳までの子どもを対象に、夜間や休日に病院を受診するかどうか等の判断の目安を提供しています。
子どもの症状を入力していくと必要な対応を表示してくれます。
例えば、「38℃以上の発熱、ぐったりしている」と入力すると、「自家用車・タクシーで病院へ行く」「急患診療所へ行くと良いでしょう」と表示されます。
さらに、病院へ持っていくものや病院へ行く時の注意事項など分かりやすく書いてあります。
公益社団法人 日本小児科学会「こどもの救急」
日本小児学会 こどもの救急
こどもの救急(ONLINE-QQ)
こどもの救急(ONLINE-QQ)
②全国版救急受診アプリ (愛称「Q助」)
総務省消防庁が提供しているアプリです。
症状などを画面上で選択していくと緊急度に応じて、「今すぐ救急車を呼びましょう」、「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」、「緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう」、「引き続き、注意して様子をみてください」と表示されます。
その後、全国の医療機関を検索できたり、全国のタクシー事業者を検索できたりします。アプリはAndroidやiPhoneで利用できます。またWeb版もあります。
総務省消防庁 全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)
総務省消防庁 全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)
全国版救急受診アプリ (愛称「Q助」) | 救急車の適時・適切な利用(適正利用) | 総務省消防庁
火災の予防や消火、救急、救助など国民一人ひとりが安心して暮らせる地域づくりに取り組む消防庁の情報を発信しています。
厚生労働省 医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について
厚生労働省 医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について
医療機能情報提供制度について
医療機能情報提供制度について紹介しています。
一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会 全国タクシーガイド
③こども医療電話相談事業 「#8000」
休日や夜間の子どもの症状に対してどのように対応したら良いのか迷った際、小児科医師や看護師と電話で相談が出来ます。今すぐ受診した方が良いのか、または救急車を呼んだ方が良いのかなどの相談から、嘔吐が続いている時のホームケアの仕方など子どもの状況や症状に合わせて、適切なアドバイスをしてくれます。
「#8000」に電話を掛けるとつながります。
相談料は無料ですが、通話料はかかります。
また、電話が込み入っていると繋がらないこともあります。
都道府県によって、対応出来る時間帯が違います。詳しくは厚生労働省のHPを確認ください。
厚生労働省 子ども医療電話相談事業「#8000」
厚生労働省 子ども医療電話相談事業「#8000」
厚生労働省|子どもの症状は♯8000
本サイトは厚生労働省が発信する公式ウェブサイトです。今、夜間の時間外受診や休日受診が増加し、本来一刻を争う急病人や医療現場の過剰労働で深刻な危機にさらされていま…
3 受診について、よく聞かれること
①「小児科と耳鼻科、どっちを受診した方がいいですか?」
病院は小児科に行った方が良いのか、それとも耳鼻科など専門病院へ行った方が良いのか迷ったことはありませんか?
基本的には小児科を受診します。子どもはまだ成長している段階で、体の機能がまだ完成されていません。そのため、かかりやすい病気も違います。発熱、嘔吐、下痢などの風邪や胃腸炎などの感染症の可能性がある場合や、ぐったりしていたり、苦しそうにしていたりと体全体的な症状が出ている場合は小児科受診をおすすめします。
感染症の心配がなく、目をこすって痒そうであったり、鼻水が出ていたりと花粉症の可能性がある場合は、耳鼻科など専門性の高い病院を受診した方が詳しく検査を出来ることもあります。
②「熱も無いし、たいしたことないかもしれないけど。心配だから受診させても良いんですか?」
Webサイトやアプリを活用すれば、受診の目安やタイミングを教えてもらうことはできます。
しかし最終的な判断は保護者です。
子どもの状況や症状から、「受診した方が良い」と判断して受診させることは問題ありません。
緊急性がない場合は、通常の診療時間内に受診することをおすすめします。
休日診療や夜間診療はあくまでも、大きなケガや急病に対応するためにあります。
日中の診療体制とは違い、医師や看護師、検査技師など人数も普段より少なくなります。
そのため、十分な検査や治療がされない可能性があります。
③「かかりつけの病院や先生を変えてもいいんですか?」
かかりつけの病院は何かあった時に頼りになる存在です。
もし、先生に相談しにくかったり、予約が取りにくかったり等、不安な部分がある場合はかかりつけ病院を新しく探すことも1つの手です。
保護者や子どもが安心して、受診できることが何より大切です。
④「子どもが急に苦しそうにしたから、とっさに救急車を呼んだけど大したことなくて。もっと様子を見ても良かったと落ち込んでいます。」
実は医師や看護師でも、自分の子どもが苦しそうにしたら冷静になれず、慌ててしまうことはよくあることです。
子どもが目の前で苦しそうにしていたらパニックになり、「このサイトで調べて…」と落ち着いて対応することは難しいかもしれません。
結果的に大事に至らず済んだとしても、場合によっては命に関わる可能性を孕んでいることもあります。
苦しそうにしていた場合、もしかしたら保護者が見てない時に何か飲み込んでしまったのかもしれません。
保護者が必要と感じて救急車を呼ぶのは、間違いではありません。自分を責めなくて大丈夫です。
4 まとめ
子どもを病院へ連れていくかの判断は保護者にゆだねられています。
保護者は強い責任感を感じているのではないでしょうか。負担を少しでも減らせるよう、Webサイトやアプリを上手に活用してみてください。
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この記事を書いた人
山本みどり
【プロフィール】
看護師経験。大学病院のNICU(新生児集中治療室)で勤務後、精神科、訪問看護を経験。
現在は小児発達ケア専門訪問看護ステーションで発達障がいと診断された子どもやそのご家族へ小児発達ケアを行っている。発達ケアを通して、子どもとご家族が安心して過ごせるように支援をしている。
食から身体のことを整えたいと思い、プライベートでは中医学・薬膳を学んでいる。
【経歴】
看護師/Webライター
看護師歴6年 NICU、精神科、訪問看護(成人・精神特化・小児発達ケア)
家政婦やベビーシッターとしても働いている