
膝の痛みを訴える人は40代から急に増加し始めるといわれています。歳を取ると膝が痛くなるのは仕方がない…と諦める人もいますが、ほんとうに年齢のせいだけでしょうか?
実は膝には体重の3倍の力がかかっています。そして、日頃の姿勢や動作が、更に膝の負担を重くしているのです。
ですから、諦める前にまずは生活習慣を見直していきましょう。
そこで今回は、膝の痛みの原因と痛みを和らげるための生活習慣についてお伝えします。
この記事の目次
1.なぜ膝が痛むのか?
膝は下のイラストのように大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)、大腿四頭筋(太ももの筋肉)と膝蓋腱に支えられた膝蓋骨(お皿のような骨)の3つの骨が合わさり成り立っています。
これら3つの骨と大腿骨と腓骨の間にある半月板は、走る、ジャンプをするなど運動によって起こる膝の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。
私たちはこの仕組みのおかげで、動作が出来るわけなのですが、膝は毎日体重を支えているため大きな負担がかかっています。それが年々積み重なり、軟骨がすり減り、動くたび神経が刺激されて痛みが生じます。
膝関節が痛む原因は靭帯や半月板の損傷など様々ですが、最も多いのが変形性膝関節症です。それでは、変形性膝関節についてみていきましょう。
2.膝痛を引き起こす変形性膝関節症について
膝は、長年の経過によって主成分ヒアルロン酸が減少し、大腿骨と腓骨がぶつかり合うようになります。これによって痛みが生じるのが変形性膝関節症です。
変形性膝関節はどのように進行していくのでしょうか。
(初期)
・歩き始めや立ち上がる時に痛みがある
・長い距離を歩く時は痛いが休むと痛みが緩和する
(進行期)
・正座がつらい
・階段昇降がつらい
・膝に水がたまる
(末期)
・歩くのがつらくなる
・膝が変形して伸びなくなる
変形性膝関節症は、肥満や運動不足による筋力低下によって発症します。
また、猫背やO脚、外反母趾の人も膝関節に負担をかけてしまいます。
体重が1kg増えると歩行時の膝には3㎏、階段昇降では5㎏の負担がかかっているといわれていますので体重増加は変形性膝関節を発症するリスクが高まることになります。
特にBMI(体重指数)が25以上ある人は注意が必要です。一度チエックしてみましょう。
BMI:=体重(㎏)÷身長(m)+身長(m)=25以上が肥満と判断されます。
3.膝関節の痛みを緩和する対処法
膝が痛い時は、まず安静にすることが第一です。そのうえで①~③の対処法を行いましょう。
①冷やす・温める
膝が痛い時に冷やした方が良いのか、温める方が良いか迷うこともあると思います。判断を間違うとかえって症状が悪化することもあるため、下の表を参考に判断して下さい。
痛みが強い急性期は冷やすと血流を抑えて痛みが緩和します。逆に慢性的な痛みは温めると筋肉の緊張がゆるみ血流改善によって痛みの原因物質を排出するため、痛みが緩和されます。
(方法)
- 冷やす:氷のう・冷たく冷やしたタオル・冷湿布
- 温める:入浴・蒸しタオル・カイロ・温湿布
※湿布は薬局で簡単に購入することが出来ますが、かゆみ、かぶれなどの副作用があるため用法を正しく守って貼付しましょう。
②サポーター
膝サポーターは冷えを予防する他、膝関節全体を固定し、過度な動きを抑えて衝撃を和らげる効果があります。様々なタイプがあるので目的に合わせて選択すると良いでしょう。
③テーピング
膝のテーピングは膝関節を固定し痛みや違和感を抑える効果があります
テープの種類は伸縮性のあるもの、ないもの2種類に分けられます。膝関節の固定や動きを制限するのにしようするのは伸縮性のないテープを使用します。
一方、血行促進や筋肉や関節の動きをサポートするためには伸縮性のあるテープが適しています。
目的に合わせて使い分けると良いですね。巻き方については動画で学ぶことが出来ますが、難しい場合は一度医療機関や治療院で相談すると良いでしょう。
ここでは膝の痛みがある場合の基本的な巻き方をご紹介します。
①痛い方の膝を軽く曲げておきます。
②1本目のテープは膝下指3本くらいから貼り始めます。
③膝の内側を囲むようにテープを軽く引っ張りながら外側に向かって貼ります。
④2本目は下の内側から始まり1本目と反対の外側に引っぱりながら貼っていきます。
これらの対処法を行いながら、生活習慣を見直していきましょう
4.膝関節を大切にする生活習慣について
まず大切なのは、膝が痛い原因は今までの生活習慣にあったと認め、改めることです。そのうえで、日常生活で膝に負担のかかる動作を控える、膝に負担のかからない動き方を行うことが大切です。
膝が痛いと、動くのが億劫になってしまいますが、運動不足はかえって膝関節を守る周囲の筋肉も衰えさせてしまいます。そうならないように、すぐに始められる方法をお伝えします。
①後ろ足上げ
壁に向かって立ち、片方の手を壁についてかかとが尻につくような感覚で膝を曲げ、10秒キープ。上手く曲げられない時は同じ側の手で足を支えましょう。左右交互に10回行います。
②膝の水平上げ
椅子に浅く座り両手は椅子の側面をしっかりつかみます。膝を伸ばしたまま床と水平に足を上げていきます。かかとを前に押し、膝うらが伸びるよう意識しましょう。
10秒キープし、左右交互に10回ずつ行います。
③ツボ押し
膝のお皿の上部指2本上の外側が梁丘(りょうきゅう)というツボです。その内側が血海(けっかい)というツボです。まずは梁丘(りょうきゅう)から、つぎに血海(けっかい)と順番に押していきます。
押し方:椅子に座り、両手で膝を挟んで親指の腹で押します。この時力を入れすぎないようにします。3秒押して3秒力を抜いて10回程度繰り返します。
※いずれも痛みが強い時は中止し、無理をしない程度に行いましょう。
④膝を温める
膝は冷えると血流が滞り、痛みを感じやすくなります。日頃からサポーターの使用や浴槽につかり体を温めるようにしましょう。また、夏場はエアコンの冷気を避け、ひざ掛けを使用するなど冷やさない工夫をしましょう。
➄楽しい時間を過ごす
膝には体重の3倍の力がかかっています。ストレスで暴飲暴食が続くと、体重増加につながります。家族や友人と出かけたり、好きな音楽を聴く、読書をするなど、自分なりのストレス対策を探していきましょう。
心の状態は食べ物の消化吸収、代謝に影響されます。自分で自分をご機嫌にすることで、姿勢が整い、適切な体重へ導かれると思います。
5.まとめ
本来、膝の関節は骨や筋肉に守られており、正しい使い方をすれば痛みは生じないものです。
日頃の歩き方、座り方などの姿勢や体重管理などの生活習慣がいかに膝に負担をかけているかを理解し、改善することが膝痛を緩和し、生活の質をより良くしていくのだと思います。
まずは出来るところから、始めていきましょう。
参考資料URL
膝関節クリニックhttps://www.knee-joint.net/pain/
人工関節ドットコムhttps://x.gd/3KelM
大正製薬https://x.gd/6MBge
この記事を書いた人
福井三賀子
<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。
結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。
在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。
<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年
<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター
<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」