毎日しっかり頭を洗っているのに頭皮がかゆくなったりフケが出てきたり・・・
そのような悩みを持つ方は案外多のではないでしょうか。
頭皮の悩みは、自分も他人にも不快感を与えてしまうため解決したい問題です。
そこで今回は、頭皮トラブルの改善策についてお伝えします。
この記事の目次
1.頭皮のターンオーバーについて
頭皮も体の皮膚と同じように表皮と真皮に分かれており、肌と同じように28周期でターンオ-バーを繰り返しています。また、頭皮は皮脂の分泌が多く汗をかきやすい場所です。頭皮にはマラセチア菌が常在し、皮脂や汗を栄養としながら頭皮に潤いをもたらし、バリア機能によって雑菌や細菌の侵入を防いで頭皮を良い状態にしています。
ところが、様々な理由で皮脂の状態とマラセチア菌のバランスが悪くなると頭皮のターンオーバーが乱れて炎症やふけ、抜け毛など頭皮トラブルのもとになります。
皮膚トラブルにはどのような種類があるのでしょうか。
2.頭皮トラブルの種類
①ふけ症
頭皮トラブルの多くが「ふけ症」といわれる症状です。ふけ症をふけのタイプ別にみていきましょう。
●脂性ふけ
洗髪をしない状態が続くと皮脂を栄養とするマラセチア菌や細菌が必要以上に繁殖します。そうすると、頭皮が刺激を受けてターンオーバーが乱れ、大量のふけが出てきます。さらに、そのままの状態を放置すると皮脂は酸化し、ほこりや汚れを吸着し、ベトベトした脂性ふけになります。
もともと脂性肌の方は皮脂が出やすく、汗をかきやすいため、脂性ふけになりやすいと言えます。
●乾性ふけ
皮脂が少なく潤い不足の頭皮は、免疫力が低下し、ターンオーバーの周期が早まり、再生途中の角質細胞まで剥がれてしまいます。
この状態は過度な洗髪や刺激の強いシャンプーが原因になることもありますが、もともと乾燥肌の人は頭皮も乾燥しやすいため、乾性ふけになりやすいと言えます。
②頭皮のかゆみ
頭皮のかゆみはたいてい、汗をかいた後に拭かずに放置したり合わないシャンプーやカラーリング剤など、外的刺激によって頭皮に炎症が起きたものが多いです。炎症が起きた後は頭皮が乾燥し、ヒリヒリした痛みや強いかゆみを感じることもがあります。夏場など紫外線を長期時間浴びてしまうと頭皮が日焼けし炎症を起こし、皮がめくれることと同様の症状です。
③頭皮の湿疹
頭皮にブツブツした発疹ができて、赤みやかゆみ、触ると痛いなどの症状が現れた場合は頭皮湿疹の可能性があります。頭皮湿疹には種類があり、それぞれに症状が違うため対策法も異なります。
どのような種類があるかを見ていきましょう。
●接触性皮膚炎
刺激の強いヘアケア製品の使用や、強い力でのブラッシングなど、刺激によって頭皮に炎症が起こった状態です。赤みやかゆみが特徴ですが水疱ができる場合もあります。原因を取り除くと自然に治りますが、水疱ができた場合は破らないようにしましょう。
●脂漏性湿疹
脂漏性湿疹は頭皮の常在菌であるマラセチア菌が増殖し、炎症している状態です。頭皮が赤く、かゆくなり、多量にふけが出るのが特徴です。頭皮を不潔にすると、脂漏性湿疹になりやすくなります。外用薬で改善する場合があるため皮膚科医に相談すると良いでしょう。
●乾燥性皮膚炎
頭皮を潤す皮脂が欠乏することで、少しの刺激にも過敏に反応し、頭皮に炎症を起こします。
もともと乾燥肌の人や、刺激の強いヘアケア製品の使用、不規則な生活習慣で発症します。
④抜け毛
健康な頭皮でも1日50本から100本の髪の毛が抜けています。しかし、過剰に分泌した皮脂をきれいに取り除かないでいると、毛穴が詰り毛髪の成長を妨げてしまいます。毛穴のつまりを放置すると髪が痩せて、脱毛の原因になってしまいます。
3.頭皮トラブルの改善策について
頭皮トラブルを改善するには次の三つのことが重要です。
●毛穴のつまりを予防する
頭皮の毛穴が詰らないようにするには、かゆみやにおいのもとになる皮脂や汗を放置しないことが重要です。敏感肌の方はシャンプー、トリートメントは刺激の少ないものを選び、泡が残らないよう、十分にすすぐことが大切です。
また、すすぎの際はシャワーの湯の温度を37~39℃にし設定することが重要です。ぬるすぎるお湯では十分に汚れや泡をすすぐことができませんが、熱いと感じるお湯は、洗った時はスッキリしますが、頭皮が乾燥する原因になります。
●血流を促す
頭皮マッサージやブラッシングなので頭皮の血行を保つと、頭皮の新陳代謝が活発になり髪の成長を維持することができます。爪を立てると頭皮を傷つける原因になりますので、頭皮専用ブラシを活用すると良いでしょう。
●生活習慣の見直し
頭皮の状態は、適切なヘアケアの他に毎日の生活習慣に影響されます。栄養バランスが良い食事は髪にも頭皮にも栄養が行き届きます。髪の毛の99%はケラチンというたんぱく質で出来ていますので積極的に取り入れるようにしましょう。また、ミネラルはケラチンの合成を助ける作用があります。ミネラルは海藻類に含まれていますので、みそ汁や酢の物で補うと良いですね。
その他、睡眠不足も頭皮トラブルの原因になります。睡眠中には成長ホルモンという細胞を修復する作用のホルモンが分泌されます。睡眠不足が続くと、外的な刺激を受けた頭皮の細胞が修復されないため、頭皮の血行不良や潤いが不足し、乾燥などの皮膚トラブルの原因になります。ストレスを溜めない、栄養のバランスが整った食習慣と良質の睡眠が、頭皮の新陳代謝を活発にし、皮膚トラブルの改善につながっていきます。
4.まとめ
頭皮の健康を保つには自分の肌質を知り、正しいヘアケアと生活習慣見直すことが大切です。現代は様々なヘアケア商品や便利な道具を簡単に手に入れることができますが、最も重要なのは、ストレスを溜めない心の状態をつくることではないでしょうか。
まずは自己の生活習慣がどのような心の状態から起きているのかを見極め、気づくということが頭皮トラブルの悩みを改善するための近道ではないかと思います。
この記事を書いた人
福井三賀子
<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。
結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。
在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。
<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年
<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター
<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」