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「気象病」知ってる? 気圧・天候と体の変化

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「季節の変わり目は身体が重だるい」「天気が崩れる前に頭が痛くなる」などの症状はありませんか。これらは、偶然ではなく『気象病』と呼ばれるものかも知れません。気象病とは、気象の変化が自律神経のバランスを乱すことで生じる身体の不調の総称です。私たちの身体は,自分が思っているよりもずっと天気の影響を受けています。では、天気の何が影響しているのでしょうか。ここでは「気圧」「気温」「湿度」「日照時間」の4つの視点から、天気と身体の関係についてお伝えします。

この記事の目次

1.「気象病」と気圧

みなさんは「気圧」と聞いて、どんなことが思い浮かびますか。

お天気報道では低気圧・高気圧という言葉をよく耳にします。

台風が近づくと「中心気圧は○○hPa(ヘクトパスカル)」といった表現もあります。

気圧とは、空気の重さによる圧力のことです。

普段の生活において意識することはありませんが、高い山に登ったときにお菓子の袋がパンパンに膨れていたという経験はありませんか。

これは、気圧の低い場所に移動したことで、袋の内側の空気圧が外の気圧よりも高くなり膨張するためです。

私たちの身体で、気圧変化に対応しているのは耳の奥にある「内耳」という器官です。

内耳は音を聞くことや、身体のバランスをとるという働きの他に、気圧センサーの役割も担っています。

飛行機やエレベーターで耳がツーンとするのは、気圧変化にうまく対応しきれず、鼓膜が内側から外側に押されるためです。

内耳で感じた気圧の変化は脳の延髄に伝わり、そこから自律神経の調節が行われます。

気圧が下がると外からの圧力が低下し、血管が拡張します。

自律神経が正常に働いていれば交感神経の働きにより血管を収縮させますが、乱れていると調整がうまくできません。

脳の血管が拡張したままになると周囲の神経を圧迫し、頭痛を起こす原因となります。
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2.「気象病」と気温

次に、気温の影響を見てみましょう。

季節の変わり目など、急激な温度変化が起こる時期は体調を崩しやすくなります。

この温度の変化が自律神経を乱す原因となり「寒暖差疲労」とも呼ばれています。

朝晩や前日との気温差だけでなく、室内外の急激な温度差も自律神経に負担をかけるため注意が必要です。

一般的に、7℃以上の気温差があると自律神経が影響を受けやすいと言われています。

寒暖差疲労の代表的な症状は、身体のだるさです。

気温の変化に自律神経が対応しようとしてエネルギーを消耗することで起こります。

症状は身体のだるさだけでなく、肩こり、めまい、頭痛、不眠、手足の冷え、お腹の不調など多岐にわたります。

また身体症状だけでなく,イライラや不安感など精神的な不調が起こることもあります。

寒暖差疲労が気になった方は、こちらをお試し下さい。

寒暖差疲労チェックシート

ところで「寒暖差アレルギー」という言葉をご存じでしょうか。

これは寒暖差が原因で、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどのアレルギー症状がでるもので、「血管運動性鼻炎」と呼ばれます。

自律神経の乱れによって、鼻粘膜の血管が過剰に反応するために起ります。抽象, 挿絵 が含まれている画像

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3.「気象病」と湿度

湿度についてはどのような影響があるのでしょうか。

日本は四方を海に囲まれているため湿度の影響を受けやすく、特に梅雨の時期は湿度が80%を越えることもあります。

湿度が高いと体温調整や消化機能に影響が出るとされ、いずれも自律神経と深い関係があります。

汗が上手く蒸発せず、体内に余分な水分がたまりやすくなるのです。

その結果、体温調節がしにくく、身体のだるさ・頭痛・肩こりなどが現れます。

さらに高温多湿の環境では、熱中症リスクも上昇します。

東洋医学では、「胃腸(脾)は乾燥を好み、湿気を嫌う」と考えられています。

湿度の高さが消化吸収や水分代謝に影響を及ぼし、食欲不振、胃もたれ、下痢や便秘などの消化器症状につながることもあります。アイコン が含まれている画像

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4.「気象病」と日照時間

梅雨や冬の悪天候が続く季節には、精神面での不調にも注意が必要です。

曇りや雨の日が続き日照時間が少なくなると、気分が落ち込みやすくなります。

その鍵となるのが、「セロトニン」です。

セロトニンは神経伝達物質の一つで「しあわせホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させ喜びや安心感をもたらす作用があります。

不足するとイライラしたり不安になるだけでなく、睡眠の質にも影響します。

このセロトニン分泌には日光が必要なため、日照時間の減少が気分低下につながるのです。

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5.気象変化と上手に付き合うために

気象病は、気象の変化に自律神経がうまく対応しきれないときに起こります。

気象変化に柔軟に対応できるよう、日頃から自律神経のバランスを整えておくことが大切です。

そのためには、生活習慣の改善が基本となります。

早寝早起き、バランスのとれた食事、姿勢の改善、適度な運動を心がけましょう。

詳しくは「季節の変わり目のだるさは「気象病」かも?!」をご参照下さい。

また、気象変化を予測して体調管理に活かせるアプリ「頭痛―る」もおすすめです。

各地域の気圧変動の予報を、時間ごとに4段階で詳しく教えてくれます。

自分の体調を入力しておけばデータが蓄積され、後から振り返ることができます。

自身の傾向がわかれば、予め対策を立てることができ、スケジュール調整にも役立ちます。

また、最近では「気象病外来」という診療科も登場しています。

気象病が原因の片頭痛などに効果のある漢方薬もあるため、症状がつらい場合には医療機関への相談も検討してください。

                              

まとめ

自律神経は休むことなく私たちの身体を整えるために働き続けています。しかし、仕事や勉強などの頑張りすぎや、生活の乱れが続くとバランスを崩し、心身の不調につながります。そこに気象の影響が加わると、ますます負荷がかかります。自律神経の悲鳴が聞こえてくるようですね。日々の小さな習慣を整えることで、気象病の症状が改善することもあります。毎日の生活を楽しみながら、丈夫でしなやかな自律神経を育てていきましょう。

引用・参考資料

頭痛ーる

健康サイト byアリナミン製薬

Kampoful Life byクラシエの漢方

日本気象協会

この記事を書いた人

看護師:青木容子 看護師経験30年 (病院勤務通算8年、身体障害者施設3年、訪問看護15年、そのほか新生児訪問指導など) 現在は特別養護老人ホームなどで勤務する傍らCANNUS新長田を運営中。 紙屋克子氏らから、NICD:意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者への生活行動回復看護を、黒岩恭子氏からは黒岩メソッドを学び、実践するとともにそれらの普及を目指している。

看護師:青木 容子
〈プロフィール〉

看護師経験30年

(病院勤務通算8年、身体障害者施設3年、訪問看護15年、そのほか新生児訪問指導など)

現在は特別養護老人ホームなどで勤務する傍らCANNUS新長田を運営中。

紙屋克子氏らから、NICD:意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者への生活行動回復看護を、黒岩恭子氏からは黒岩メソッドを学び、実践するとともにそれらの普及を目指している。

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