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花粉症に効く治療法、どれが自分にぴったり?

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毎年やってくる、つらい花粉症の季節。花粉症は完全に治すことは難しいといわれていますが、自分の症状や生活に合った治療法を見つけることで、症状が軽くすることもできます。

 この記事では、花粉症の治療法についてわかりやすくご紹介しながら、あなたにぴったりの治療法を見つけられるお手伝いができればと思います。

この記事の目次

1. 花粉症の診断と治療法選びのポイント

1)花粉症の症状を把握しよう

花粉症が疑われる場合、まず自分はどのような症状がどの程度あるのかを確認しておくことが大切です。なぜなら、「鼻水が頻繁に出る」、「くしゃみが止まらない」、「目がかゆくて仕方がない」場合と、「鼻づまりがつらい場合」は最適な薬が異なるからです。

花粉症の症状は、鼻の症状(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)や目の症状(かゆみや涙、充血など)、のどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどがあります。

症状が軽度であれば市販薬で対応できることもありますが、症状がひどくなったり、長期間続いていたりする場合は生活に支障をきたすこともあります。我慢せずに病院受診を検討してください。

2)病院受診の流れ

花粉症かなと感じた場合は、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

耳鼻咽喉科を受診すると、医師は症状を問診し、必要に応じたアレルギー検査を行い、原因となる花粉やその他のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)を特定します。

そして、医師は症状の重症度をみて、治療法を選択する基準を決めます。症状の重症度は、1日に平均何回くしゃみをするか、1日に平均何回鼻をかむか、鼻づまりの程度はどのくらいかの組み合わせで判定されます。

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2. 治療を始める前に知っておきたい診断と治療の基本

1) 薬物療法

薬物療法は、花粉症治療の基本となります。「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」では、症状の型(鼻づまり型とくしゃみ・鼻水型、混合型)と重症度に合わせた治療法を推奨しています。

(1) 抗ヒスタミン薬

  抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質をブロックすることで、鼻水やくしゃみ、目のかゆみを軽減します。一般的に第一世代と第二世代の抗ヒスタミン薬があります。

① 第一世代抗ヒスタミン薬

 主にくしゃみ・鼻水型に効果があります。市販薬にも含まれています。効果は強いのですが、眠気が出やすく昼間に使用するには注意が必要だったり、前立腺肥大や緑内障のある人には使えなかったりすることがあります。

② 第二世代抗ヒスタミン薬

第一世代抗ヒスタミン薬の副作用が軽減されて、眠気が少なく日常生活に支障をきたしにくいです。抗ヒスタミン作用のほかにもいろいろな作用があり、中には鼻づまりに効くものもあります。多くのものが飲み薬ですが、鼻噴霧用薬や貼付剤もあります。

(2) ステロイド薬

  ステロイド薬は炎症を抑えるため、すべての型に高い効果がある治療薬です。点鼻薬や点眼薬は、決められたとおりに定期的に使用しないと効果が十分に発揮されません。飲み薬もありますが、点鼻薬や点眼薬と異なり、副作用がでやすいため短期間の使用にとどめます。

(3) ロイコトリエン受容体拮抗薬

  アレルギー反応に関与するロイコトリエンという物質の作用を抑える薬です。特に鼻づまり型に効果が高いのですが、効果が出るまでに数日~4週間かかることがあります。

(4) 点鼻血管収縮薬

  鼻づまり型にデコンゲスタントと呼ばれる去痰薬が使われることもあります。この薬は、鼻の中の血管を収縮させて、通気を良くします。例えば、最重症、特に鼻づまりが強い場合は薬が反応しづらいため、鼻呼吸ができなくて不眠になったり、勉強や仕事への集中力が損なわれたりする場合は、7~10日間と使用日数を限定して併用を勧める場合もあります。ただし、長期間使用すると逆に鼻が詰まりやすくなるため、注意が必要です。

(5) その他 : 漢方薬

  漢方薬は、くしゃみ・鼻水、鼻づまりの他にのどの痛みといった花粉症の症状を和らげるために補完的に使用されることがあります。体質に合わせた漢方薬を選ぶことで、副作用が少なく、体調を整えながら症状を軽減できることがあります。

 例年、花粉症の症状が強い方は、花粉飛散期の症状が軽いうちに治療を開始することをお勧めします。その理由は、薬物療法は進歩したものの対症療法の域を出ないため、症状が軽いうちに治療を開始することで花粉飛散ピーク時も含めて症状をコントロールしやすく、生活の質の改善につながるからです。

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2) アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法は、アレルゲン(花粉)を少しずつ体に入れることで、花粉そのものにからだを慣れさせて、アレルギー反応を抑えます。治療を受けた約8割の方に症状の改善効果が認められています。花粉症の軽症~最重症に適応があり、薬物療法の効果が不十分な重症度の高い花粉症の方にも症状の改善が期待できるといわれています。ただし、気管支喘息や口腔内に傷や炎症がある場合、他の疾患で治療を受けている場合、妊娠・授乳中の方は治療を受けられないことがあります。

毎日1回、舌の下に薬を入れる「舌下免疫療法」が一般的で、初回のみ病院で行い、翌日からは自宅で自分が行います。5歳以上の子どもも適切に舌の下に投与ができる場合は治療を受けることができます。

花粉症の根本的な治療を目指す治療法ではありますが、薬物療法のように即効性がある治療法ではありません。効果が現れるまでに数か月から3~5年かかるといわれるため、短期間で症状を改善したい方には不向きです。

3) その他の治療法

  鍼灸やアロマセラピーなど、代替療法も花粉症に効果があるとされています。これらの療法は、花粉症に直接的な治療効果を期待するものではありませんが、リラックス効果や免疫力の向上など、間接的に症状を和らげることがあります。

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3. 自分にぴったりな治療法を見つけるために

どのような治療法が合うかは、症状の強さだけではなく、あなたの生活スタイルによっても変わってきます。忙しくて通院が難しい方、薬の副作用が気になる方など、日常に無理なく取り入れられる治療法を見つけましょう。

1) 生活スタイルに合わせて選ぶ

薬物療法を選ぶ際には、副作用が少ないものを選ぶことが重要です。例えば、日中に仕事や学校に行く必要がある場合、眠気を引き起こさない「第二世代抗ヒスタミン薬」が向いているでしょう。また、鼻づまりがひどくなる前に、「点鼻薬」や「免疫療法」を試みると効果的です。

 花粉症の季節を少しでも快適に過ごすために、自分の生活スタイルや症状に合った治療法を選びましょう。

2) 定期的な通院が大切

花粉症の治療は一度で完結するわけではありません。薬が効いていないと感じたり、副作用が気になったりする時は、遠慮せずに医師と相談して治療法を見直していくことが大切です。

また、免疫療法を選ぶ場合、長期的な通院が必要になるため、「どのくらいの期間治療が必要なのか」、「定期通院の頻度はどの程度か」、「副作用が出た場合はどうしたらよいか」などを医師と相談し、無理のないスケジュールを立てておくと安心です。

まとめ

・すぐに症状を抑える薬物療法から、根本治療を目指す免疫療法まで、選択肢はいろいろとあります。

・自分自身の症状や生活スタイルに合わせて、最適な治療法を選ぶことが大切です。

・病院での診断を受けることで、自分に合った治療法を見つけやすくなります。

「花粉症でつらいのは毎年のことだから仕方がない」と我慢せず、自分に合った対策を見つけてみてください。快適な季節を過ごすために、まずはできることから始めてみませんか。

この記事を書いた人

看護師:山田かおり 経歴〉 看護師経験 32年(内分泌代謝・循環器内科病棟、外科混合病棟、高齢者施設で勤務) 看護教員養成研修 修了  認定看護師教育課程(認知症看護) 修了  医療安全管理者養成研修 修了  認定看護管理者制度 ファーストレベル・セカンドレベル教育課程 修了 〈講座〉  認知症ケアに関する講座 多数  未来をつくるkaigoカフェ 「つづけるカフェ」隔月開催(現在休止中)

ヤマダ カオリ

〈プロフィール〉
親に勧められ、自分が希望する心理学への道をあきらめ、看護学校に入学し、病院に就職する。周りの同期のように看護が楽しいと感じられず、私のしたいこととは違うと思い続け、「看護師は向いていない」と悩みながら3年間 病院で勤務後、退職する。事務職に転職しようとパソコンや簿記を学ぶが、25歳では事務職への転職は難しく、生活のために看護師に復帰する。

復帰後はマンネリ化した機能別業務に、再度「看護師は向いていない」と感じる日々が続いていた頃、関連病院で病床数増床のため看護師を募集していることを知り、心機一転すれば看護の楽しさがわかるのではと思い、異動を希望し、上京する。上京した病院で、自宅で最期を迎えたいと希望する患者や家族への退院指導の難しさと充実感を知り、新人教育担当として新人看護師が日々成長していく姿に励まされ、5S活動やQCサークル活動を通じて業務改善に手ごたえを感じるなど、看護師を続けたいと思えるようになった。それからは、自分の興味の赴くままに学びを深め、特に認知症に関する知識や技術を身につけ、「その人の行動の意味することは何か、生活歴を通して気づく看護の楽しさ」を伝えたいと思うようになった。
現在は、「看護が楽しい」と感じる仲間を増やしたくて、看護学校で看護教員をしている。

〈経歴〉
看護師経験 32年(内分泌代謝・循環器内科病棟、外科混合病棟、高齢者施設で勤務)
看護教員養成研修 修了
認定看護師教育課程(認知症看護) 修了
医療安全管理者養成研修 修了
認定看護管理者制度 ファーストレベル・セカンドレベル教育課程 修了

〈講座〉
認知症ケアに関する講座 多数
未来をつくるkaigoカフェ 「つづけるカフェ」隔月開催(現在休止中)

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