
「まだ若いから頚椎症なんて関係ない!」そう思っている人は多いと思います。実は、頸椎は20歳を過ぎると変性が始まるといわれており、頚椎症になると将来寝たきりになる可能性も否定できません。
将来元気に過ごすためにも頚椎症のメカニズムを知り、予防していきましょう。
この記事の目次
1.頚椎症のメカニズム
頸椎とは脊髄の首の部分を構成している7つの骨のことです。成人の頭は約5㎏の重さがあるため、うつむいて前のめりになると頸椎の負担は増えていきます。頸椎は頭を支えるのと同時に脊髄から手足につながる神経を保護する役目があります。
クッションの役割をしている頸椎の椎間板が、長年の姿勢によって圧迫されると脊髄や神経根が圧迫され、手足のしびれや痛みが出現します。
頸椎は加齢とともに椎間板が変性し靭帯が肥厚し硬くなりますが、症状が進行しないと痛みやしびれを感じないこともあります。いつもより動きにくい、首や肩が重たい感じがする等の違和感和感を放置すると、重症化する場合があります。
2.頚椎症は放置するとどうなるのか?
「まだ痛みを我慢できるから…」と頚椎症を放置してしまうと手や腕の筋肉が萎縮し、筋力低下による脱力感を伴うようになります。さらに進行すると、ボタンがかけられない、細かいものが掴めないなど、日常の動作が困難になり、痛みによる睡眠障害や意欲低下を引き起こしてしまいます。
頚椎症は神経が圧迫されることで発症する病気ですから、放置すればするほど神経がダメージを受けてしまい、回復困難になります。特に『頚椎症性脊椎症』の診断を受けてしまうと、最終的には歩行ができない、寝たきりになってしまう恐れもあるため今、首や肩の痛みしびれ、頭痛などがある人は放置せずに一度専門医による診断を受けると早期発見にもつながるため安心ですね。
3.20~30代に増加中の頚椎症
本来、頚椎症は加齢によって首の骨が変形してくる病気です。これまでは年齢のせいだと思われてきた肩こりや首の痛みですが、スマートフォンやパソコンの普及で発症年齢が若年化している傾向です。
スマートフォンをうつむいた状態で見続けると、頸椎の自然なカーブが失われて骨の変形が加速するため、ストレートネックになります。また、画面を長時間凝視することで首の筋肉が緊張し、血行不良から肩こりや首の痛みにつながります。
頚椎症はもはや加齢による病気だけではなくうつむいた姿勢が要因になっている現代病だといえるのではないでしょうか。
4.頚椎症の予防について
痛みやしびれが軽度の場合は悪化しないよう、日常生活の動作を改めていく必要があります。可能な範囲で首に負担をかけないようにしましょう。
①長時間同じ姿勢で過ごすのを避ける
長時間下を向く姿勢が続くと、首や肩に負担がかかります
本やスマートフォンを見る際は目線の高さに合わせること、パソコン操作では、画面の高さと角度を調整するようにしましょう。デスクワークの際は机に手をのせた時、肘、股関節、膝関節が垂直で足の裏が床につくよう椅子の高さを調節すると良いですね。
ノートパソコンを使う際、画像のようなパソコンスタンドがあると、背筋が伸びて首や肩の負担が軽減されます。
デスクワークの際は30分ごとに休息をとることも忘れないようにしましょう。
②首や肩の筋肉をほぐす
首や周辺の筋肉の緊張をほぐすことで神経の圧迫が緩和され頚椎症の予防になります。簡単な方法をご紹介します。
●首を左右に倒すストレッチ
1)椅子に腰かけて姿勢を正します
2)頭をゆっくりと右に倒して首の側面を伸ばします。そのまま10秒キープ。
3)正面を向いて左も同じように行います。
これをゆっくりとした呼吸で毎日3セット行います。
●肩~背中のストレッチ
1)椅子に腰かけ、ゆっくりと両手を上にあげて指を組みます。この時、出来る範囲で腕を耳に近づけてください。
2)わきの下、背中が伸びるのを感じながらゆっくりと右に傾き、10秒キープします。この時、肛門をキュっと締めて中心軸がぶれないように気を付けます。
3)同じように左に傾き10秒キープします。
●あご引きストレッチ
1)仰向けになります。
2)後ろの首が伸びるのを意識しながらあごを引き10秒キープします。
3)ゆっくりとした呼吸で3セット行います。
ストレッチをする際、痛みやしびれを感じたらすぐに中止をして無理なく動く範囲で行うようにしましょう。ゆっくりとした呼吸を意識するとリラックス効果が高まります。寝る前に5分行うなど習慣にすると良いでしょう。
③寝る時の姿勢を整える
寝る時にうつ伏せや横向きで腕を枕の代わりにしている人は、首が不自然に反った状態になるため頸椎を歪めてしまいます。そのうち神経や筋肉に負担がかかり、痛みやしびれの原因になってしまいます。
うつ伏せの姿勢で読書やスマートフォンを見る習慣のある人は気を付けるようにしましょう。
寝る時は仰向けの姿勢にすると頸椎の自然なカーブを保つことが出来ます。
そして、枕も大きく関係します。
高くて柔らかい枕は頭が沈み込んでしまいます。合わない枕を使うと睡眠中に自然な寝返りを打てずに、起床時に首の違和感や痛みにつながります。
そこで自分に合った枕を選ぶためのポイントをご紹介します。
睡眠中の寝返りは約20回程度です。寝返りを打つことで日中の負担をリセットしているため、寝る姿勢や枕を変えるだけでも首の痛みに効果があると思います。
5.まとめ
頸椎に負担をかけないようにするには頸椎だけではなく脊椎全体にかけて負担をかけないようにする必要があります。
人の活動は首から腰にかけて脊椎でバランスをとっているため、日常の何気ない動作が頸椎だけではなく体全体に影響を与えてしまいます。ちょっとしたことを毎日意識するだけで頸椎のダメージを防ぐことが出来ますので、今回お伝えした動作を日常に取り入れて将来の寝たきりを予防しましょう。
参考資料URL
『nishikawa』https://x.gd/rtM76
『よしむら脳神経。脊椎外科クリニック』https://x.gd/hUp5p
この記事を書いた人
福井三賀子
<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。
結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。
在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。
<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年
<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター
<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」