
脊椎の手術を専門とする病棟で働いていたとき、頚椎の手術をする患者さまも多くいました。
職場の同僚と話していたときに頚椎を悪くする人の共通点に気付きました。
「頚椎を治療している患者さんって、安定剤や睡眠剤を飲んでいる人多いよね」
「精神的に不安定な時が多いような気がする」
その時は、なんとなく話していましたが今、振り返ると頚椎の病気と精神状態は直結しているなと思えます。
今回は、頚椎の不調とメンタルとの関係性と性格傾向について解説していきたいと思います。
この記事の目次
1.頚椎のゆがみは心のゆらぎ
現代は、スマホやパソコンなどの端末機器が日常生活の中心にあり常に使用していることも多く、欠かせないものとなっています。
長時間使用することで、自然と前かがみの姿勢となり頚椎に負担がかかり、頚椎の不調につながっている人も多く報告されています。
しかし頚椎の問題は筋肉の緊張だけではありません。
頚椎の治療を行っている患者さまは安定剤や睡眠剤を飲んでいるケースが多く、既往にうつ病や統合失調症などの精神疾患を持たれている傾向があります。
これは単なる偶然でしょうか?
看護師として臨床に関わってきて、原因のひとつに「姿勢」が関係しているという推論にたどり着きました。
日常生活の中でストレスを感じ、落ち込んだ時、うつむいて前かがみの姿勢になります。
スマホやパソコンを使用しているときも同じ姿勢になっていることにお気づきでしょうか。
更に、画面を注視することで眼球を動かす回数が減ります。
眼球を動かす回数が減ることで固定観念が強くなると言われています。
眼球運動は脳への血流を促し、考えや意思決定、状況判断や感情コントロールを司る前頭前野を刺激し活性化します。
眼球運動が減ることで、脳に伝わる刺激が減少し、考え方に偏りが見られることがあります。
「こうでなければならない」「こうあるべきだ」などの固定観念が強くなるという症例も報告されています。
また、感情コントロールが出来なくなることで、精神状態が不安定になりやすくうつ病や統合失調といった病気になりやすいと考えます。
2.頚椎を悪くする人の性格傾向
頚椎を悪くする原因は姿勢や体格だけでなく、「性格傾向」が表れやすいと言われています。
もちろん、性格傾向が良い・悪いではなく性格の特徴が頚椎に影響を与えやすいとされています。
①完璧主義・頑張りすぎるタイプ
常に全力で、求められる以上のことをこなそうとするタイプです。
完璧を求め仕事や家事でも「手を抜けない」傾向があります。
そのため、無意識に肩に力が入りやすく、首回りの筋肉は常に緊張した状態が続きやすく頚椎への負担が多くなります。
②周りに気を使いすぎる繊細なタイプ
人の気持ちに寄り添いすぎて、自分を後回しにしてしまうタイプです。
人への気遣いが強すぎて、ストレスを感じると肩がすくみ首や筋肉が固まりやすい傾向があります。
「自分より周囲」を優先する姿勢が無意識に上半身の緊張を作り出します。
③不安を抱え込みやすい・考えすぎるタイプ
同じことを何度も考えこむことや、悪い未来を予想するタイプです。
こうした、“思考のクセ“は交感神経を刺激しやすく首の筋緊張を強めます。
特に、夜に考え込みやすく頚椎が回復するための時間が減り、筋緊張が慢性化しやすくなります。
④責任感が強すぎるタイプ
公私ともに「自分がしっかりしなきゃ」と背負い込みやすいタイプです。
責任感が強い一方で、体は緊張状態になりやすく体を緩めにくいことが特徴です。
責任感が強いがゆえに、些細なことでも落ち込みやすく立ち直るのに時間がかかることや、いつまでも引きずることが特徴です。
こうした性格傾向の方は、ストレスを受けやすく体の力を抜くことがとても下手です。
その結果、頚椎の側面を支える肩甲挙筋(けんこうきょきん)や背中を支える僧帽筋(そうぼうきん)がこわばり、頚椎の動きが制限され頚椎に不調をきたす原因になっていると言われています。
3.頚椎の不調が招く不安とは
首や肩の不調が続くだけで「気が滅入る」と感じる人が多いのではないでしょうか。
実はこの感覚は珍しいものではなく、頚椎の不調と不安には身体的にも神経学的にも深い関係があります。
頚椎の周囲には、自律神経や脳と体をつなぐ重要な神経が集中しています。
更に、自律神経系と痛みには密接な関係があり、通常は痛みを感じると自律神経の1つである副交感神経が優位になることで休息モードに切り替わり身体を緩めます。
しかし、ストレスの多い現代では、活動や興奮を司る交感神経が優位な状態が続く環境です。
交感神経が優位な状態が続くと、心拍数や呼吸数の増加・過緊張が目立ち、筋肉への血流と酸素が不足しコリや痛みが慢性化すると言われています。
更に、コリや痛みが長期化し脳へ送る血流が少なくなると、頭痛やめまいが起こる原因となります。
ここまで症状が進むと、「この症状は深刻な病気ではないか」「また症状が現れるのではないか」「なぜ治らないのだろう」といった不安に駆られるようになり、悪い未来を予想するようになります。
その結果、
体は緊張状態となる
↓
不眠の訴えが目立つようになる
↓
少しのことで気になり不安が募る
↓
不安が強くなり安定剤や睡眠剤を服用する
といった流れが出来上がると、看護師として臨床を通して患者様と関わっていく上でそう感じるようになりました。
4.おわりに
今回の記事では、頚椎の不調を抱える人のメンタルとの関係性と性格傾向について解説しました。
しかし、性格傾向については頚椎に不調を抱えるすべての人に当てはまるものではなく看護師として患者さまに関わってきた中で感じたことです。
時間や多重業務に追われる現代は頚椎のトラブルを抱えている人がほとんどです。
時間に追われ、ストレスを感じることが多い現代は体の緊張をほぐすことが出来ない人も多いのではないでしょうか。
症状が慢性化するまえに、日々のケアで身体のメンテナンスをすることが大切だと感じます。
引用・参考文献
長引く肩こりは自律神経が原因かも?マッサージで治らない原因と整形外科の選び方
筋肉のコリ(異常硬結)と自律神経
この記事を書いた人
大竹 加代子
大阪在住。身内の死をきっかけに、よりよい生き方を社会に広めたいと思い看護師となる。
整形外科・外科・脳外科・内科・循環器の急性期病棟を経て、回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟へ勤務・現在に至る。
現役看護師として医療に携わる一方、こころの健康が身体の健康に及ぼす影響を実感し、こころと身体の健康を取り扱う看護師Wellnessナースとしてメンタルケア・認知科学の学びをすすめながら、適応障害の人のための電話相談やセミナー開催に向け取り組んでいる。
《経歴》
看護師歴25年
プロコミュニケーター
NLPマスタープラクティショナー
一般社団法人 日本ナースオーブ所属 Wellnessナース
保険外訪問看護 看取り対話師
《執筆》
株式会社 ELAN 様
看護師が解説!高齢者の骨折予防
看護師監修 介護側の食事指導
note 女性の適応障害に適応するブログ
《講座》
Wellnessチャートで賢くやせる/ウェルネス講座