月齢・年齢が低いほど急にお熱が出たり、吐いたりすることがあります。
子どもは大人と違い、言葉で体調を伝えることが出来ません。
そのため親や周りの大人が体調の変化に早めに気づいてあげる必要はあります。
初めての子育てですと子どもの具合が急に悪くなると慌ててしまい、どうしたら良いか迷ってしまうこともあるかと思います。
普段から子どもの様子を良く観察することが何より大切です。
そこで子どもの体調をみるうえで押さえておきたい基本のポイント3つお伝えします。
ポイント1:機嫌が良いか、悪いか
ポイント2:普段の様子を知る
ポイント3:1つの症状に一喜一憂しなくても大丈夫
この記事の目次
ポイント1:機嫌が良いか、悪いか
発達には個人差がありますが、意味のある言葉を話せるようになってくるのは1歳以降と言われています。
それまでは“体にいたみやかゆみ、気持ち悪さなど”を感じた時、子どもは“泣いたり、機嫌が悪くなったりする”ことで親に伝えてくれます。
あやしても笑わない、おもちゃで遊んでいる時に笑わないなど機嫌が悪い時は体のどこかにいたみやかゆみなどが隠れていることがあります。
特に0歳~1歳までは“泣くことが仕事”と言われるほど、よく泣きます。
そのため、泣いている理由が“体にいたみやかゆみなどがある場合”以外のこともあります。
お腹が減っても泣き、おむつがしめっても泣きます。また体へのイヤな感覚のほかにも、不安があると泣くこともあります。
大人でも初対面の人、初めて行く場所は緊張することはないでしょうか。
それは、子どもも同じで「ママ、パパ以外の人で怖いよ~」「初めての場所で不安だよ~」と不安を感じた時も泣きます。
0歳~1歳程度までの子どもですと泣く理由は12個あります。
それを手がかりにして泣いている時に「どうして泣いているのかな?」と子どもの顔を見て、「お腹減っているのかな?」「おむつかな?」「どこかいたいのかな?」と声をかけてあげましょう。
0歳~1歳くらいまでの子どもが泣く理由
- おなかが減っている
- おむつがおしっこやうんちで湿って不快
- 眠い
- 部屋が暑い、もしくは寒い
- 服がきつい
- 感覚過敏(強い光が目に入った、大きい音が聞こえたなど)
- げっぷが出ずに苦しい
- 体にいたみやかゆみがある
- 不安泣き
- 人見知り、場所見知り
- 夜泣き
- 後追い
理由がなくても泣くとき
どうして泣いているのか理由がある場合が多いですが、はっきりした理由がなくても泣くことがあることがあります。
その泣き方に6つの特徴があり、その頭文字を取ってパープルクライング(PURPLE CRYING)と言われています。
あやし方や関わり方の問題ではないため安心してください。
- P:
-
Peak of crying 生後2週間頃から始まり2カ月頃がピークです。5カ月頃まで続くと言われています。
- U:
-
Unexpected どうして泣いているのか、はっきりとした理由が分かりません。
- R:
-
Resist soothing なだめても泣き止みません。
- P:
-
Pain like face 痛くなくても痛そうな顔で泣きます。
- L:
-
Long lasting 長いと1日5時間泣くことがあります。
- E:
-
Evening 夕方頃に泣く傾向があります。たそがれ泣きとも呼ばれます。
【重要な理由が隠れている泣き方】
感染症やケガなどが隠れているかもしれない泣き方を知っておくと役に立ちます。
- ・泣き方がいつもと違う
-
火が付いたように泣く、長時間泣く、1日に何度も泣く、いつもより泣き方が弱弱しいなど
- ・他に症状がある
-
熱がある、吐いた、うんちが水っぽい、皮ふに赤みやぶつぶつがあるなど
- ・ぐったりしている
- ・息苦しそう
ポイント2:普段の様子を知る
子どもの変化に気づくためには、普段の様子を知っておくことが大切です。子どもの生活の中で、次の5つのポイントを押さえておくと変化に気づきやすくなります。
①機嫌
0~1歳ぐらいまで
- あやすと笑うか
- 人見知り・場所見知りはないか、後追い、夜泣きはないか
1歳~
- 遊んでいる時、楽しそうにしているか
- 好きな食べ物やお菓子を喜んで食べているか
体調が悪いとき、泣いたり、機嫌が悪くなります。またいつも以上にだっこをせがんでくることがあります。
②遊び、運動量
1歳を過ぎてくると子どもによっては1人歩きが出来るようになってきます、そのため、動ける範囲も広がり、遊びの範囲や種類も格段に増えます。遊び方やどれだけ活発に遊ぶかは個性が出てきます。・どんな遊びが好きか
例えばお絵描きなど静かな遊びが好きなのか、おにごっこなど外で遊ぶ遊びが好きか。・静かに落ち着いているのか、もしくは元気に動いているのか
いつもしている遊びをしていない時、いつもは落ち着いている子どもが興奮して動きまわっている、もしくはいつも元気に動き回っている子どもが落ち着いて静かにしてる時が「いつもと違うかもしれない」と感じるポイントです。
③食事
- ミルクをどれくらい飲むのか
- 離乳食はどれくらい食べているか
- 食事はどれくらい食べているか
- 好きなもの、苦手なものはあるか
- 食物アレルギーはあるか
食べる量が変わることと、良く食べるものや好きなものを食べなくなった時も「いつもと違うかもしれない」と感じるポイントです。
④睡眠
- 寝る時間と起きる時間
- 睡眠時間
- 途中に起きることはあるか
寝る時間がいつもより早い、朝までぐっすり寝ているのに途中何回か起きていたということがあれば「いつもと違うかもしれない」と感じるポイントです。
⑤おしっことうんち
- おしっこの回数とどんな色をしているか
- うんちは何日ごとに出ているか、それくらい出ているか、どんな色をしているか、柔らかいか固いか
おしっこの色に血が混じると赤くなったり、脱水になるとおしっこが出なくなったりします。うんちも普段に比べてゆるくなったり、色に赤みがあったりと「いつもと違うかもしれない」ということが比較的に分かりすいと思います。
ポイント3:1つの症状に一喜一憂しなくても大丈夫
熱がでたとしても、あやせば笑い、ミルクも飲めていて他に吐いたり下痢が出たりとかがない時は、「すぐに病院に行かなくちゃ」と慌てなくても大丈夫です。
このように熱という1つの症状だけではなく、笑っているのかということや食欲など全体的にみることで緊急性があるのか、少し様子をみてもいいのか判断できます。
子育てを始めたばかりだと、何もかもが初めてのためすぐに病院に行った方がいいのか、それとも家で様子をみていいのか判断するのはとても難しく、大変なことです。
困った時は、病院のやっている時間なら電話して看護師か医師に受診した方が良いか聞いてみるのも良いでしょう。病院が休みの日や夜などは #8000 に電話するという方法もあります。
小児科医や看護師が対応してくれ、受診をした方がいいのか、ホームケアのやり方など必要なことを教えてくれます。
子どもによってはあまり感染症にかからない子もいますが、大半はよく熱を出したり吐いたりします。
子育てが初めて、または慣れていないと慌ててしまうかもしれませんがかかりつけ病院や #8000など気軽に相談してみましょう。
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まとめ
子どもは自分の症状を伝えられないため、親をはじめ周りの大人が気づいてあげる必要があります。生活の中で「いつもと違う」というポイントは子どもの体調不良のサインです。そのため、普段の様子を良く見てあげることが大切です。
しかし初めての育児だと毎日が精いっぱいで大変です。がんばり過ぎてしまうと疲れてしまうので、困った時に相談出来る人や場所を作っておくと気持ちが楽になります。親の安心感は子どもにも伝わります。相談出来る場所を増やしていきましょう。
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この記事を書いた人
山本みどり
【プロフィール】
看護師経験。大学病院のNICU(新生児集中治療室)で勤務後、精神科、訪問看護を経験。
現在は小児発達ケア専門訪問看護ステーションで発達障がいと診断された子どもやそのご家族へ小児発達ケアを行っている。発達ケアを通して、子どもとご家族が安心して過ごせるように支援をしている。
食から身体のことを整えたいと思い、プライベートでは中医学・薬膳を学んでいる。
【経歴】
看護師/Webライター
看護師歴6年 NICU、精神科、訪問看護(成人・精神特化・小児発達ケア)
家政婦やベビーシッターとしても働いている