本当に必要な「終活」とは?(前編)

皆さまは「終活」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

もともとは「就職活動」の「就活」をもじって週刊朝日でネーミングされた言葉のようです。
「人生の終わりのための活動」とは、あまり楽しそうではない響きですね。
それでも毎日のようにテレビや雑誌などで取り上げられていますので、ここには何か重要な意味がありそうです。

終活に含まれる意義や、本当に必要な終活の手続きについて考えていきます。
 

本当に必要な「終活」とは?
目次

終活でやるべきことを整理してみましょう

やや気の重い「終活」ですから、本当に必要なことだけに絞って、できるだけ簡単に済ませてしまいたいところです。

一般に「終活でやるべきこと」と言われている項目は膨大にありますが、ご自身にとって必要なテーマを選び出すヒントとして、これらの項目を整理してみましょう。

終活でやるべきこと

まずは、大きく「時期」の観点で二つに分類します。

A.生前の生活の不安や生き方に対する備え

B.亡くなった後の手続きに関する備え

A.はさらに、「財産・権利」や「介護・医療」の観点で分けられそうです。

A(1)…生前の財産や権利を守るため

A(2)…生前や終末期の生き方について希望を伝えるため

B.はさらに、「目的」や「誰のために」の観点で分けられそうです。

B(1)…きたるべき時に備えて自分の気持ちを整理するため

B(2)…残された家族などに迷惑をかけないため(死亡時の手続きや慣習)

B(3)…残された家族などに迷惑をかけないため(引き継ぐ財産や権利関係)

時期 分類 終活で「やるべきこと」
生前 A(1) 財産管理等委任契約、入院事務手続代行、身元引受契約、任意後見契約など
A(2) 介護の希望、終末医療の希望、延命治療の希望、尊厳死の希望など
死後 B(1) 片付け、断捨離、自分史、死生観、遺影、検体、エンディングノートなど
B(2) 葬儀、連絡先リスト、納骨、墓、遺品整理、ペット、死後事務委任など
B(3) 生前贈与、相続税対策、遺言、家族信託、財産目録など

これらの終活のテーマはどれも大事なのですが、仮に「今すぐ死んでしまったら?」と考えたときにはB(2)とB(3)の優先順位が高くなるでしょう。
 
今回は特に、B(3)「残されたご家族などに迷惑をかけないため(引き継ぐ財産や権利関係)」に絞って「本当に必要な終活」を考えていきます

残されたご家族(相続人)は何に困るのでしょうか

もし遺言書が残されていれば、「どんな財産を持っていたのか」を知る手掛かりになります。
遺言書には「この財産はAさんに、その財産はBさんに」と具体的な財産の配分を書くことが多いので、財産目録が自然とできあがっているからです。

最近はエンディングノートに財産の一覧を書くケースも増えてきました。
ところが、遺言書もエンディングノートもない場合は、どこにどのような財産を持っていたのか、ご家族でも知らないことが多く、これでは遺産分割協議も相続手続きもできません。

これが一番困るのです。

そのような時は、家中を捜索して、通帳やカード、銀行や保険会社などからのお知らせ、計算書や契約書などの控え、手紙やメモ類、金庫の鍵など、財産に関係しそうな書類や物を全部引っ張り出し、それらを一つひとつ確認して財産を見つけ出すことになります。
 
これはとても大変です。
 
それでも見つけられない財産は多く、休眠預金や所有者不明の土地などになってしまいます。
故人がせっかく築いた財産なのに、本当にもったいないことです。
このようなときに「財産の手掛かりがあれば!」と思うことがしばしばあります。

皆さまにおすすめしたい「終活ファイル」

ご自身が保有する財産を一覧にした「財産目録」があれば、それが一番良いのですが、財産目録を作るのは手間もかかりますし、とても面倒です。
わざわざ、自分が亡くなったときのことを想定して、預金通帳や不動産の書類を揃えて確認し、エンディングノートなどに記載するのは大変な作業ですので、どうにも気が向かないものです。

そこで皆さまにおすすめしたいのが「終活ファイル」です。

この「終活ファイル」の目的は「財産の手掛かりを残しておく」ことです。
 
美しく整える必要はありません。
必要な書類を集めて放り込んでおくだけです。

では、何を入れておけば良いのでしょうか。

ひとつの例として、実際に準備している終活ファイルの中身をご紹介しましょう。

「終活ファイル」の中身

まず、厚さ3cm・40ポケットのクリアファイルの背表紙に「終活ファイル」と書き、本棚の一番目立つ場所に置きます。

終活ファイルの存在と場所は、家族に知らせておきます。
そして、その中には次のような書類を入れていきます。

終活ファイルの存在と場所は、家族に知らせておきます
  • 保管証(自筆証書遺言を法務局に保管したときの証明書)
  • 戸籍謄本(生まれてから現在まで連続するように取得したもの)
  • 遺影用の写真、葬儀社との契約書
  • 年金手帳、企業年金の通知書などの書類
  • 生命保険、火災保険、地震保険、傷害保険などの書類
  • 登記済権利証、固定資産税納税通知書
  • 銀行のキャッシュカード、クレジットカードなどのコピー
  • 運転免許証、健康保険証などのコピー
  • 月額課金サービスのIDとパスワード(封緘したもの)

これらの書類の詳しい内容や役立つ場面については、後編でお伝えします。


この記事を書いた人

齋藤 弘道(さいとう ひろみち)

<プロフィール>
遺贈寄附推進機構 代表取締役
全国レガシーギフト協会 理事
 
信託銀行にて1500件以上の相続トラブルと1万件以上の遺言の受託審査に対応。
遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、2014年に弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げた(後の全国レガシーギフト協会)。
2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。
日本初の「遺言代用信託による寄付」を金融機関と共同開発。


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