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看護師が解説!更年期症状⑤更年期症状を理解してもらう伝えかた

コミュニケーション、理解し合う

令和4年に厚生労働省が更年期に関する知識や理解について調査したところ、女性は年代が上がるほど更年期に不調が起こることを「よく知っている」と回答した人が多いのに比べて、男性はどの年代においても更年期の女性に不調が起きることを「よく知っている」の割合が1~2割程度しかいなかったという結果でした。

このような結果を踏まえると、更年期症状でつらい時「今日くらい洗濯をしてくれないかな?」「自分の使ったお皿くらい、洗ってくれないだろうか?」いくら心の中で思っていても、なかなかパートナーには伝わらないですね。
それどころか「私がこんなにつらいのに!」などと感情を荒げてしまうと、余計に気持ちが離れてしまいます。

そこで今回は、更年期症状を理解してもらうパートナーへの伝え方をお伝えします。

相手が気持ちよく協力してくれたら、つらい症状も軽くなりますね。

この記事の目次

1. 男性と女性はコミュニケーションの仕方に違いがある

男性と女性とでは、考え方やものの感じ方に違いがあります。

その多くは脳の働き方の違いによるものであり、男性の脳は相手との関係や空間的な関連とその働き方を理解して解決するようにつくられています。
つまり、男性は仕事や業績で価値を決め、目の前の課題を処理するために行動を起こします。

一方、女性は人間関係で価値を決め「関係性を築く」ために行動するという性質があります。
ヒトの進化を歴史から見ても、男女の脳の働きと役割の違いがはっきりしていることがわかります。

男女の脳の違い、考え方の違い

大昔、男は武器を使って狩りに行き、生きるために獲物を捕らえました。
他の種と摩擦が生じて戦争になった場合には、男の攻撃性や統率するための能力が必要になってきます。
現代でも、男性の権力志向、攻撃的な性は、社会的に優位であることを求める性質に起因しているように思います。
こうして、何十万年もの間、決まった役割のなかで生活し、脳の回路もそれに合うように発達をしてきました。

現代は女性が社会進出を果たし、男性が育児や家事を担う家庭も多くあります。
それぞれの価値観の違いでストレスを感じることも多く、脳の回路が逆に人間関係に支障をきたしていると言えるかも知れません。

ストレスを感じた時の男性と女性の違い

男性問題を解決するために感情を閉ざし、口をきかなくなる
女性ストレス解消のために相手との絆を深めようと、感情と一緒に言葉を使う。
※女性はイライラすると無性にしゃべりたくなる性質を持ています。

更年期症状でつらい時は「こんなにつらいのをわかって欲しい」とつい、感情にまかせて一方的に自分の思いを伝えがちです。
ところが、この態度は男性の問題を解決する妨げになってしまうため、関係性を築くには逆効果になってしまいます。

男性が「社会の競争や攻撃から解放されたい」という解決のために家に帰ることを知っていれば、おのずと伝える言葉も「安らぎを与える言葉」に変わって来るでしょう。
たとえ家事をおろそかにして、部屋が散らかっていても、安らぐような言葉かけをすればパートナーの社会的な優位性が満たされます。

基本的に男性は「与えたい」という本能的な欲求があります。自分の努力が評価されて認められると心から喜びを感じて能力を発揮します。

それでは、心と身体の「安らぎ」を感じてもらうためにはどんな心がけが必要なのでしょうか。

パートナーと話し合う、理解し合う

2. アイメッセージを使おう!

相手の気持ちに配慮しながら自分の気持ちや考えを伝える手法として「アイメッセージ」があります。

このコミュニケーションスキルはI(アイ)つまり私を主語にした表現方法です。

主語を「私」に置き換えるアイメッセージは自分の思いや欲求にも気づきやすく、感情抜きで要望を伝えることが出来ます。

物の言い方ひとつで相手の行動が変わるのであれば、お互いにとってこれほど効果的な方法はありませんね。

具体的な例文

  • 私は更年期の症状で、今とてもつらいの。お皿を洗うのを手伝ってくれるとうれしい、とても助かるわ
  • 私のつらい症状は時期が過ぎたら治まると思うの。しばらくの間あなたの力が必要なの。助けてね
  • 私はつらい症状がある時は横になりたいの。楽になったらあなたの好きな料理をつくるわね

このように私を主語にして伝えることで相手に不快を感じさせずに要望を伝えることが出来ます。

逆にYOU(ユー)つまり、あなたを主語にすると「あなたにお皿を洗ってもらいたい」「あなたにつらい症状を気づいてほしい」などと、相手に対して命令するような印象、非難する意味合いにも取れてしまいます。

男性の社会的優位性を意識し、素直に感謝する気持ちが相手の行動につながっていきます。

食器を洗う

3. 言葉で感謝を伝える

互いの関係性をより良い方向にしたい場合は自分自身が変化するしかありません。男性は権力主義、自己主張など社会的に優位な立場を求めています。そのような男性には家事を手伝ってくれたことに感謝して、心からの「ありがとう」を言葉で伝えましょう。

普段言えなくても女性の本心は関係性をより良く築くことを求めています。心のままに想う気持ちを伝えてみましょう。

  • 私はあなたのおかげで楽をさせてもらえる
  • 私よりお皿洗いが丁寧で上手ね、本当に助かるわ

決して嫌な気分にはならないはずです。それどころか、家族への貢献を実感し、充分に満たされることになります。いつの間にかより良い関係性を築き、より良い結果につながっていくことでしょう。

thankU、感謝を伝える、ありがとう

4. まとめ

更年期の症状でつらい時、パートナーから見ると怠けていると思われるかも知れませんが、大切なのはつらい症状を理解してもらうことです。

「わかってもらえた」という安心感は感情を穏やかにして症状の軽減につながります。そのためには、男女の脳の違いを知り、その構造に合わせて、伝えかたを工夫する必要があります。そこで得られたパートナーの協力は、心からの感謝でしかありません。

つらい時、苦しい時の協力者こそ最高の良き理解者であり良きパートナーです。

その関係性を築くには、自分から行動するしかないのです。



この記事を書いた人

福井三賀子 <プロフィール> 小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。 同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。 結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。 在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。 現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。 <経歴> 看護師経験20年。 外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来) 介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム) 介護支援専門員6年 <資格> 看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター <活動> 講座「更年期は黄金期」 ブログ「幸せな更年期への道のり」 メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」 スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」

福井三賀子

<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。

結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。

在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。

<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年

<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター

<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」

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