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看護師がわかりやすく解説!小児の発達障がい②発達障害のある子供が保育園・幼稚園で困りやすいこと

子供の成長はとても早いものです。赤ちゃんだと思っていたら、あっという間に幼稚園・保育園を考える時期になります。成長していくにつれ、「もしかして発達障害かも?」と感じるような行動が出てくるかもしれません。

発達障害のある子供の親御さんの中には、これから幼稚園・保育園に通わせることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では発達障害のある子供が保育園・幼稚園で遭遇しやすい困りごとや、親御さんが感じる不安を少しでも解消するヒントをご紹介します。

発達障害の基本的なことは【①発達障害に気づくきっかけと診断までの流れ】の記事内で触れています。

小児の発達障がい②発達障害のある子供が保育園・幼稚園で困りやすいこと
この記事の目次

保育園・幼稚園に入園中に起こりやすい困りごと

小児の発達障がい②発達障害のある子供が保育園・幼稚園で困りやすいこと

発達障害は大きく分けて

・自閉症スペクトラム症
・注意欠陥多動性障害
・学習障害

の3つがあります。

それぞれの発達障害の特性によって、起こりやすい困りごとが違います。

自閉症スペクトラム症(ASD)の特性で困りやすいこと

自閉症スペクトラム症の特徴は【コミュニケーションが苦手】【こだわりの強さ】【感覚過敏】の3つあります。

①コミュニケーションが苦手

自分の気持ちを相手に伝えること、相手の気持ちを理解することが苦手です。

言葉が出来にくいこともあり、友達と会話によるコミュニケーションに難しさを感じることもあります。

②こだわり

スケジュール、順番、物の配置、やり方などこだわりは子供によって様々です。
また鉄道や数字など、特定のものに強い興味を示します。

変化が苦手で、「いつもと違う」ことが起こるとパニックになることがあります。

例えば、担任の保育士が急に休みになっていつもと違う保育士がお世話をするとことになりました。
「いつもの先生と違う」とパニックになり、大泣きしてしまうかもしれません。

また、気持ちの切り替えも苦手です。

例えば、お昼ご飯の時間だからおもちゃを片付けるという場面で、遊びを止めるという切り替えが出来ずにパニックを起こしてしまうことがあります。

③感覚過敏

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感と前庭感、固有覚の感覚が敏感になり、多くの刺激を受け取ってしまう特性です。

五感は聞いたことがあっても、前庭感、固有覚は聞いたことない方の方がほとんどではないでしょうか。

簡単に説明すると、前庭感とはバランス感覚、固有感覚とは身体の力の入れ具合を調整してくれる感覚のことです。

視覚

眩しい光、動くものなどで疲れやすくなります。

聴覚

掃除機、雷など特定の大きい音に反応し身体が固まったり、泣いたりしてしまうことがあります。

触覚

シャカシャカするようなビニール素材の服や化学繊維の服を嫌がります。

味覚

味や触感で特定のものしか食べることが出来ず、偏食につながります。

お弁当や給食が食べることが出来ない子供もいます。

嗅覚

芳香剤など部屋の匂い、服の柔軟剤の匂いなどで頭痛や吐き気が起こってしまうことがあります

前庭感

乗り物酔いしやすいです。その一方でずっとくるくる回っているという子供もいます。

固有感覚

例えば、子供本人は仲良くしたい気持ちがあって優しく頭を撫でようとしても、力の調整が出来ず思いっきり叩いてしまうということがあります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性で困りやすいこと

注意欠陥多動性障害には「注意欠陥」「多動」「衝動」の3つの特性があります。

①注意欠陥

子供にとって興味のあること、刺激が強いことに注意が向いてしまう傾向があります。

よく物を忘れたり、失くしたりします。

例えば、遊ぶことに夢中になってしまい、手に持っていたはずのカバンをどのタイミングで、どこに置いてしまったか分からなくなってしまうということが起こります。

②多動

椅子にじっと座っていられなかったり、列の順番を抜かしてしまっていたりと集団生活で困ってしまう場面もあります。

③衝動

思いつくまま、感じるままに動くことはほとんどの子供に当てはまることかもしれません。

多動の特性があると周りの友達や大人から見ても突飛な行動を取ることがあります。

子供自身には「これをしたい!」という明確な目的があることが多いですが、周囲の状況を判断して行動しないため、危険な行動になりがちです。

例えば、外にお散歩に行った時に好きな車が通り過ぎたことで衝動的に道路に飛び出しそうになることもあります。

幼稚園・保育園の外にあるものが気になって、園の外に出て行ってしまうこともあります。

学習障害(LD)の特性で困りやすいこと

文字を読んだり、書いたりという学習は本格的に始まるのは小学校からです。

そのため、保育園・幼稚園の時期に学習障害を発見することは難しいとされています。

不安を解消するための3つの対策

小児の発達障がい②発達障害のある子供が保育園・幼稚園で困りやすいこと

通っている幼稚園・保育園のスタッフに相談してみる

「困っている」とSOSを発信してくれることで支援者が動くことが出来ます。

直接、伝えるタイミングを確保することが難しければ電話で相談してみるのも良いと思います。

子供の家での様子や園での様子を共有して、発達支援をどのようにしていくのか皆で協力して考えていくことが出来ます。

身近な専門機関に相談してみる

発達支援に関わる専門家に相談していくことも必要かもしれません。
子供に関わる相談は保健センター、こども家庭支援センター、児童発達支援センターですることが出来ます。

保健センター

保健師、看護師、心理士が在籍していることが多く、乳幼児健康診査や乳幼児の健康相談をすることが出来ます。

こども家庭支援センター

子育てに関する相談を様々な相談をすることが出来ます。

児童発達支援センター

障害を持つ子供、療育についてなど様々な相談をすることが出来ます。

どこに相談して良いか分からない時、近くに相談出来るような場所が見つからない場合、お住まいの自治体の児童福祉課や障害福祉課にお問い合わせください。

同じ悩みを持っている人と交流する

全国には発達障害の子供を持つ親の会や発達障害の当事者会など、様々な団体があります。

「こんな時、どうすれば良いの?」

「どんな風に声をかけてあげたらいいの?」

日々の子育ての中で迷う場面や、悩む場面は多くあることでしょう。

同じ境遇の親御さんが実際にしたことや発達障害の当事者の方が実際どんな体験をしてきたのかなどを聞くことはご自身の子供とどのように関わるかの参考になります。

参加条件や日時、場所などはHP等に記載されているため、お近くの団体等を探して、活動をのぞいてみてください。

まとめ

小児の発達障がい②発達障害のある子供が保育園・幼稚園で困りやすいこと

この記事では発達障害のある子供が保育園・幼稚園で遭遇しやすい困りごとや、親御さんが感じる不安を少しでも解消出来るようなヒントをご紹介しました。

まずは悩みごとや不安を1人で抱え込んでしまうよりも、誰かに話してみたり、頼ってみたりしてくださいね。


この記事を書いた人

山本みどり 【プロフィール】 看護師経験。大学病院のNICU(新生児集中治療室)で勤務後、精神科、訪問看護を経験。 現在は小児発達ケア専門訪問看護ステーションで発達障がいと診断された子どもやそのご家族へ小児発達ケアを行っている。発達ケアを通して、子どもとご家族が安心して過ごせるように支援をしている。 【経歴】 看護師歴6年(NICU、精神科、訪問看護/成人・精神特化・小児発達ケア)

山本みどり

【プロフィール】
看護師経験。大学病院のNICU(新生児集中治療室)で勤務後、精神科、訪問看護を経験。
現在は小児発達ケア専門訪問看護ステーションで発達障がいと診断された子どもやそのご家族へ小児発達ケアを行っている。発達ケアを通して、子どもとご家族が安心して過ごせるように支援をしている。
食から身体のことを整えたいと思い、プライベートでは中医学・薬膳を学んでいる。

【経歴】
看護師/Webライター
看護師歴6年 NICU、精神科、訪問看護(成人・精神特化・小児発達ケア)
家政婦やベビーシッターとしても働いている

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