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「先生にうまく質問できない」「なぜ血糖値が下がらないのか分からない」など、糖尿病治療が上手くいかないと感じたことはありませんか?
糖尿病の良好なコントロールには、ご本人の主体的な治療参加とそれを支えるサポーターの存在が必要不可欠です。
この記事を読むことで上手な病院のかかり方が分かり、治療に納得しながら自分の生活スタイルを築いていくヒントが得られます。
この記事の目次
上手な主治医との付き合い方
糖尿病治療において主治医とのコミュニケーションは大切です。
ここでは「上手な主治医と付き合い方」についてお伝えします。
①受診時の心得
定期受診は自分の行っている健康管理の有効性を客観的に知る大切な機会です。
日頃の自分の生活状況を知ってもらい、効果的なアドバイスをもらいましょう。
受診時には以下のポイントを意識しながら、主治医とコミュニケーションをとりましょう。
・体重・血圧・血糖値・食事内容・活動内容などを記録したノートをつくる。
・受付時に記録ノートを提出する。
・質問はメモをしておく。記録ノートと一緒に受付時に提出してもよい。
・診察室では、血糖コントロールが良好か、主治医と確認する。
・血糖コントロールが悪い場合、その理由と対策を主治医と確認する。
・血糖値や体重の目標値を確認する。
・次回受診までの間に自分が取り組むことを確認する。
②疑問や困っていることを伝える
こんなことを聞いてもいいのかな?と思うような小さな悩みでも伝えることが大切です。
日常で湧いた疑問を質問できると、心身共に穏やかな毎日を過ごせるようになります。
主治医に聞きにくい場合は、先に看護師や受付事務員に相談してみてもよいでしょう。
内容によっては栄養士や看護師との面談の場を設けてもらえるかもしれません。
以下には、治療が効果的になる質問例をお伝えします。
- 運動後に冷や汗をかき、気分が悪くなってしまうことがあります。運動はやめたほうが良いですか?
-
血糖測定の指示後、適切な運動量の提案や薬剤の見直しがある可能性があります。
- 間食はいつとるのが良いですか?
-
記録ノートをみながら、あなたにとっての最適な時間帯をアドバイスしてくれます。
- 車の運転が大変になり、月1の通院が負担になってきました。
-
糖尿病の病状により、通院回数の変更や他院への紹介を検討してくれる可能性があります。
日々の困ったことを解決することが糖尿病のコントロールに重要な役割を果たします。
3分ほどの短い診察時間の中で、効果的なコミュニケーションをとることは難しいと感じるかもしれません。
しかし、主治医にとっても、あなたを知ることは良いことばかりです。
聞かれたことに返事をするだけでなく、積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。
上手な日常生活の過ごし方
ここでは、糖尿病治療における「上手な日常生活の過ごし方」について、大切なポイントをお伝えします。
①相談相手をつくる
良き相談相手をつくることは、糖尿病治療に大切なポイントです。
かかりつけの主治医や看護師、栄養士の他、医療専門職のいる健康相談窓口を利用しましょう。
また、身近な友人や同じ糖尿病を持つ知人に話しを聞いてもらうことも効果的です。
相談の効果や具体的な相談先については、「⑤糖尿病予防・改善のための対策~メンタルヘルス編」の記事でお伝えしていますので参考にしてください。
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②食事のサポーターをつくる
毎日の血糖管理では食事管理が大きな比重を占めています。
ご自身やご家族だけで管理することはストレスの原因にもなります。
家庭の外にもサポーターをつくると大きな力をもらえることでしょう。
以下にはサポーターの作り方の例をご紹介します。
・かかりつけ栄養士を見つける。
・かかりつけの病院、管轄の市役所保健センターや保健所、公益社団法人日本栄養士会の栄養ケア・ステーションなど。
・糖尿病患者向けの宅配弁当を利用する。
・糖尿病食の献立を教えてくれる、料理アプリを活用する。
・家事代行サービスの料理代行を利用する。糖尿病食に理解のある家政婦さんや栄養士さんもいます。近年では、看護師資格を持った家政婦さんを派遣している事業所もあります。
看護師さんの家事代行サービスについての記事はこちら
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③運動のサポーターをつくる
日常的に活動量を増やすこと、適度な運動をすることは糖尿病治療に効果的です。
サポーターをつくると楽しんで運動を継続することができるでしょう。
サポーターの作り方の例をご紹介します。
・パートナーや友人と一緒に運動日を設定する。
・地域の運動コミュニティーに参加する。
・フィットネスクラブで専任トレーナーさんをつくる。
・健康運動療法士や糖尿病療養指導士の資格を持った講師のいる運動教室に参加する。
・血糖管理アプリや運動管理アプリを利用する。
・自治体のウォーキングアプリを利用する。近所の仲間を見つける機能や、歩数をランキング化する機能、ポイント景品制度などがあり、楽しんで参加できる仕組みを活用する。
ここでは上手な日常の過ごし方として、
①相談相手をつくる
②食事のサポーターをつくる
③運動のサポーターをつくる
の3つのポイントをお伝えしました。
上手な薬との付き合い方
あなたは使っている薬の名前やその効用をご存じですか?
ここでは糖尿病治療における「上手な薬との付き合い方」についてお伝えします。
①本当の主治医は自分自身、医療者はサポーター
薬の専門は医師であり、患者は口をはさんではいけないと思っている方もいるかもしれません。
しかしそれは誤解です。
特に、自己管理が治療の柱になる糖尿病は、患者さんご本人の声や分析力が治療の効果に影響します。
薬の効用を理解し、血糖コントロールが良好にできているか確認していきましょう。
②薬物療法の基盤は食事と運動
薬物療法がはじまると、血糖値が下がり始めることでしょう。
ほっと一安心しますが、食事療法と運動療法は継続しましょう。薬が効果的に働くためにも生活習慣を整えからだをよい状態に保つことが大切です。
合併症の予防にもつながります。
まとめ
この記事では、糖尿病治療において大切な「上手な病院のかかり方」についてお話ししました。
これらのポイントを実践することで、納得して自分らしい生活スタイルを築くことができるでしょう。
周囲のサポートを得ながら、できることから少しずつはじめていきましょう。
記事を読んでいただいたこの機会をチャンスとし、健康生活を築いていきましょう。
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この記事を書いた人
安富由紀子
<プロフィール>
看護師・保健師として、何千人という生活習慣病やその予備軍と診断された方の保健指導や健康教育に携わる。その中で心身共に健康であるためには、「自分が大切にしていることを知ること」「なりたい自分に向かうこと」が重要であることに気が付く。
現在では「健幸ビジョンコンサルタント」として既存の医療では解決できなかった“心から健康で幸せになる方法”を社会に啓蒙するため、個人や企業での健康相談、研修、コンサルティングを行っている。
<クレド>
①指導をしない
②徹底した対話と、感情や意思を引き出す関わり
③クライアント自身の思考や情報取得を尊重して主体性を育む関わり
<経歴>
看護師・保健師 専門は生活習慣病予防
(一社)日本ナースオーブ ウェルネスナース
(一社)日本看護コーチ協会 認定看護コーチ
<講座・執筆>
・治療選択ワークショップ主催・講師(株式会社ぷれしゃす様 )
「もしもあなたが乳がんになったら」
・エンディングノート作成講座・講師(株式会社ウィシュレーン様)
「延命治療、あなたの意志の伝え方~家族に重圧を残さないために」
・ウェルネス講座 講師(一般社団法人日本ナースオーブ様)