「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
古くから伝わるこの言葉は、「膝」のケアにも当てはまります。
不快、違和感、不安定感。膝に何かを感じたとき、多くの人はその『感覚』に意識が向いてしまい、
不安を感じてしまいます
膝が何でできていて、それぞれが何をしているのかを知る。
構造を知れば、不快の正体が見えてくる。
膝を理解するうえで、押さえておきたい9つのパーツを紹介します。
この記事の目次
押さえておきたい膝の9つのパーツ
① 骨(大腿骨・脛骨・膝蓋骨)
膝は3つの骨で構成されています。
太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、そして膝のお皿(膝蓋骨)。
この3つが組み合わさって、
体重を支えながら曲げ伸ばしを可能にしています。
骨折や変形が起きると、関節全体のバランスが構造から崩れ、他のパーツへの負担が増えてしまいます。
変形や骨への負担が大きく進んだ場合には、医療の力(人工関節など)を借りて、構造を根本から整える選択がなされることもあります。
② 軟骨(関節軟骨)
骨と骨が直接ぶつからないよう、関節面を覆うクッションです。摩擦を減らし、衝撃を吸収する役割を担っています。一度すり減ると自己修復が難しい性質があるため、まわりの筋肉などでしっかりとサポートしてあげることが大切になるパーツです。
③ 半月板
骨と骨をつなぎ、関節が過剰にずれないよう制御するバンドです。
膝には前十字・後十字・内側・外側の4本の主要な靭帯があります。
損傷すると膝の不安定感や、「抜ける感じ」として自覚されることが多くあります。
⑤ 筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)
膝を動かす動力源であり、関節を守る最大の安定装置でもあります。筋肉量は30代から1%ずつ、徐々に低下していく性質があります。
筋肉のサポートが弱くなると、他のパーツへの負担が集中しやすくなるため、意識して筋肉を労わり、整えてあげることが健康な膝を保つ秘訣になります。
⑥ 滑膜
関節の内側を覆う薄い膜で、関節液を産生する組織です。
膝に炎症が起きると、この滑膜が刺激を受けて過剰な関節液を産生します。
それが「膝に水がたまる」状態につながります。
⑦ 関節液(炎症反応)
『膝に水がたまる』という状態は、病気そのものではなく、炎症に対する体の防御反応です。関節内で何らかの異常が起きたとき、滑膜が関節を守るために液を増やします。 腫れや熱感を伴う場合は炎症が活発なサインですので、もし違和感を覚えたら、専門家に相談し、状態に合わせたケアを行っていきましょう。
⑧ 脂肪体(膝蓋下脂肪体)
膝のお皿の下に位置する脂肪組織で、クッションの役割と同時に、痛みを感知する神経が豊富に分布しています。
あまり知られていませんが、膝前面の痛みや違和感の原因として見落とされやすいパーツの一つです。
圧迫や炎症が起きると、鋭い痛みや引っかかり感として現れることがあります。
⑨ 関節包
膝全体を包む袋状の組織で、関節液を密閉し、膝の動きを支える外壁の役割を果たします。
炎症が続くと関節包が硬くなり、
可動域の制限や動き始めのこわばりとして現れやすくなります。
パーツは単独では機能しない
ここまで9つのパーツを見てきましたが、大切なのはこれらが互いに支え合って機能しているという点です。
たとえば
・筋肉が衰えると、軟骨や半月板への衝撃が増えます。
・軟骨がすり減れば、滑膜が反応して水腫が生じます。
・炎症が続けば、関節包が硬くなり可動域が失われます。
・一つの崩れが、連鎖して広がっていく。
膝の不調はこうした構造的な連鎖として起きていることが多いのです。「どこが痛いのか」を知ることも大切です。
でもそれ以上に、「そのパーツが何をしていて、なぜ今それが悲鳴を上げているのか」を考えることが、膝と長く付き合うための本当の第一歩になります。
【参考情報】
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 公益社団法人 日本整形外科学会
この記事を書いた人
下倉 雄介 施術家歴 16年半以上
トレーナー実績 安田大サーカス団長(トライアスロン)、他
2009年4月、ファクトリージャパングループ(FJG)に新卒入社。
カラダファクトリー西新井店を経て、2011年8月、カラダストレッチブランド立ち上げ時に店長となり、その後、支部長として数々のストレッチサロンの運営・研修・開店業務を担当。2016年8月に一度FJGを退職。外部クリニックに勤務し開業に携わる。その後、膝専門クリニックでのケアを担当するなどフリーランスで活動。2021年6月、復職。
営業部エリアマネージャー、部長を経て、現在、社長室「カラダストレッチ」担当部長(現任)
カラダストレッチ