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更年期に起こりやすい手の痛み・こわばり『メノポハンド』知ってる?

朝起きたときに指がこわばったり、手の関節が痛んだりすることはありませんか?

「年齢のせい」「手を使いすぎたから」と思っているその症状は、更年期のホルモンの変化が関係しているかもしれません。

こうした更年期に起こりやすい手の不調は、「メノポハンド(メノポーザルハンドmenopausal handの略)」と呼ばれています。

この記事では、メノポハンドの症状や原因、受診の目安を紹介します。

この記事の目次

1. メノポハンドって何?

閉経(メノポーズ)の前後5年ずつを合わせた10年間を更年期といいます。

「メノポハンド」は、更年期前後の女性に起こりやすい手指の痛み、こわばり、しびれなどの不調をまとめた呼び名です。朝起きたときに指が動かしにくい、関節が痛む、物をつかみにくいといった症状が現れることがあります。手の不調が続くと、食事や着替えなど身近な動作にも影響します。

1) 「年齢のせい」「手の使いすぎ」と思われがちな症状

関連する病気には、指の関節が腫れたり変形したりするヘバーデン結節、指が引っかかるばね指、手指がしびれる手根管症候群などがあります。これらは、それぞれ症状や原因が異なる病気ですが、更年期前後の女性にみられやすいことが知られています。

女性ホルモンの一つである「エストロゲン」の減少が、手指の関節や腱の不調に関係していると考えられています。ただし、手の痛みの原因は一つではなく、ほかの病気が隠れている場合もあります。

2) 男性も手の不調は起こります

メノポハンドは主に女性の更年期に関連する言葉ですが、男性にも加齢や関節の病気などによって、手の痛みやこわばりが起こることがあります。

2. こんな症状、思い当たりませんか?

メノポハンドでは、手や指の痛み、こわばり、しびれなど、さまざまな症状が現れることがあります。どのような症状があるのか、具体的にみていきましょう。

1) 朝起きると指がこわばる

朝起きたときに指が動かしにくく、動かしているうちに軽くなることがあります。こわばりが長く続く場合は別の病気にも注意が必要です。何分くらい続くか、左右どちらの手に出るかも手がかりになります。

2) 指の関節が痛む・腫れる

指先に近い第1関節に起こる「ヘバーデン結節」や、第2関節に起こる「ブシャール結節」では、痛んだり、腫れたり、関節が太くなったり、変形したりすることもあります。見た目の変化が目立つ場合でも、痛みの強さは人によって異なります。

3) 手がしびれる、物をつかみにくい

「手根管症候群」は手首にある神経が圧迫される病気で、親指から薬指の親指側にかけて、しびれが現れることがあります。症状が進むと、細かい作業がしにくくなったり、物をつまみにくくなったりすることがあります。

4) 指の曲げ伸ばしがしにくい

指を曲げ伸ばしするときに引っかかったり、カクンと動いたりする「ばね指」が起こることもあります。

3. どうして更年期になると手が痛くなるの?

1) 女性ホルモン「エストロゲン」と手の関係

女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、骨や関節、腱などの健康にも関係しています。更年期には、このホルモンの分泌量が大きく減少するため、手の不調との関係が注目されています。

2) 関節や腱にどんな変化が起こる?

エストロゲンの減少は、関節の内側を覆う「滑膜(かつまく)」などの組織に影響し、炎症や痛み、腫れ、こわばりに関係する可能性があると考えられています。ただし、ホルモンの減少がこうした手の症状につながる詳しい仕組みは、まだ十分に明らかになっていません。

3) 症状には個人差があります

更年期だからといって、誰もが手の痛みを感じるわけではありません。症状の現れ方には、体質や加齢による変化、手の使い方、もともとの関節の状態なども関係するため、女性ホルモンの減少だけで起こるものではありません。

4. 手の痛みは、すべてメノポハンドなの?

1) 似た症状が現れる病気

手や指の痛み、こわばり、腫れなどは、更年期以外の原因でも起こります。特に、関節リウマチや変形性関節症などとの区別が必要な場合があります。

2) 関節リウマチと変形性関節症

① 関節リウマチ

免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。指の付け根や第2関節などが腫れ、朝のこわばりが長く続くことがあります。

② 変形性関節症

関節の軟骨が傷んだり、骨が変化したりする病気です。指の第1関節に起こる「ヘバーデン結節」や、第2関節に起こる「ブシャール結節」も、手指の変形性関節症の一つです。

3) 自己判断せず、症状を確かめることが大切

これらの病気と更年期の手の不調は、症状だけで病気を見分けることは困難です。

どの指が痛むのか、いつから症状があるのか、腫れやしびれがあるかなどを記録しておくと、診察の際に役立ちます。例えば「朝に30分ほどこわばる」「右手の親指だけ痛い」と具体的に伝えると、症状を医師と共有しやすくなります。

「更年期だから仕方がない」と我慢せず、気になる症状は医師に相談しましょう。

5. 手の小さな変化に気づくことから

1) 手の不調を「年齢のせい」で片づけない

手の痛みやこわばりは、年齢とともに起こることがありますが、更年期のホルモンの変化や関節の病気などが関係している場合もあります。「年齢のせいだから仕方がない」と我慢せず、手の小さな変化に目を向けてみましょう。

2) 相談先と伝えてほしいこと

手や指の痛み・腫れ・しびれは、まず整形外科で相談できます。更年期に伴うほかの症状がある場合は、産婦人科(更年期外来)も相談先になります。

受診時は、服用中の薬やほかの持病について伝えるとともに、「いつから」「どの指に」「どんな症状があるのか」を伝えると、診察の際に役立ちます。

手は毎日の生活に欠かせない大切な部分です。気になる変化を見逃さず、早めに相談することが大切です。

6. まとめ

・メノポハンドは、更年期前後にみられる手指の不調を表す言葉です。

・原因は一つではなく、ほかの病気との見分けも重要です。痛みやこわばりを年齢のせいと片づけず、気になる変化が続けば整形外科に相談しましょう。

手の不調には、原因に応じた治療や、日常生活でできる工夫があります。次回は、手の痛みやこわばりをやわらげるためのセルフケアについて紹介します。

この記事を書いた人

看護師:山田かおり 経歴〉 看護師経験 32年(内分泌代謝・循環器内科病棟、外科混合病棟、高齢者施設で勤務) 看護教員養成研修 修了  認定看護師教育課程(認知症看護) 修了  医療安全管理者養成研修 修了  認定看護管理者制度 ファーストレベル・セカンドレベル教育課程 修了 〈講座〉  認知症ケアに関する講座 多数  未来をつくるkaigoカフェ 「つづけるカフェ」隔月開催(現在休止中)

ヤマダ カオリ

〈プロフィール〉
親に勧められ、自分が希望する心理学への道をあきらめ、看護学校に入学し、病院に就職する。周りの同期のように看護が楽しいと感じられず、私のしたいこととは違うと思い続け、「看護師は向いていない」と悩みながら3年間 病院で勤務後、退職する。事務職に転職しようとパソコンや簿記を学ぶが、25歳では事務職への転職は難しく、生活のために看護師に復帰する。

復帰後はマンネリ化した機能別業務に、再度「看護師は向いていない」と感じる日々が続いていた頃、関連病院で病床数増床のため看護師を募集していることを知り、心機一転すれば看護の楽しさがわかるのではと思い、異動を希望し、上京する。上京した病院で、自宅で最期を迎えたいと希望する患者や家族への退院指導の難しさと充実感を知り、新人教育担当として新人看護師が日々成長していく姿に励まされ、5S活動やQCサークル活動を通じて業務改善に手ごたえを感じるなど、看護師を続けたいと思えるようになった。それからは、自分の興味の赴くままに学びを深め、特に認知症に関する知識や技術を身につけ、「その人の行動の意味することは何か、生活歴を通して気づく看護の楽しさ」を伝えたいと思うようになった。
現在は、「看護が楽しい」と感じる仲間を増やしたくて、看護学校で看護教員をしている。

〈経歴〉
看護師経験 32年(内分泌代謝・循環器内科病棟、外科混合病棟、高齢者施設で勤務)
看護教員養成研修 修了
認定看護師教育課程(認知症看護) 修了
医療安全管理者養成研修 修了
認定看護管理者制度 ファーストレベル・セカンドレベル教育課程 修了

〈講座〉
認知症ケアに関する講座 多数
未来をつくるkaigoカフェ 「つづけるカフェ」隔月開催(現在休止中)

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