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いつか介護は終わる!そのとき気づく5つの喪失|介護のバーンアウト

介護をしているとき。

誰もが今日やるべきことで精一杯で、自分自身の状況を振り返る余裕はないかもしれません。

介護に時間を取られ自分の時間はどんどん減っていく。

気づけば「自分の人生」より「介護」が中心になっている。

というより、24時間続く介護は日常のすべてを食い尽くしていく。

ところが介護は、いつか必ず終わりが来ます。そのときのことをほんの少しでいいので想像してみてほしいのです。

親を見送り、ポッカリと気の抜けたいつもの部屋で一息ついたとき。

一人で介護を抱え、必死で親を守ろうと尽くしてきた親孝行な子供ほど・・・

「あれ?わたし仕事ない」

「収入もない」

「友達もいない」

「パートナーもいない」

「やりたいこともわからない」・・・

『承認欲求』という言葉をご存知ですか?承認欲求は心理学用語ですが、私たちが今ここに存在し、生きる目的となっている基本的な欲求です。人はこの欲求を満たせなくなると、無気力・無関心となり生きる意欲を失います。そして介護においては、長い間『正しい介護』をすることで承認欲求を満たしているため、介護の喪失とともに介護者自身の存在意義を見失ってしまう…、ということが起きやすくなるのです。

ただ単に、介護者という役割を失う"介護ロス"とは違いがあります。介護を失うだけでなく、自分自身を失ってしまう危険性を孕んでいます。この記事では、介護の5つの喪失を今からできる対処法についてお伝えします。

この記事の目次

1.「お金がない」「仕事がない」を防ぐ

在宅で介護をすることになった場合、介護度にもよりますが、自分の時間を介護に充てることが多くなります。家事・洗濯・ディケアサービスに行く日は身支度や準備など朝目覚めた瞬間から時間との戦いが始まります。

仕事をしている場合は介護と同時並行で、自分の身支度・食事・出勤の準備をします。

仕事に行っても、体調を崩したりすると会社に電話がかかってきたり、受診のため休むことも多くなります。帰ってからも、寝るまでにすることはたくさんあり、深夜、布団に倒れこむように眠りにつくことが多くなるでしょう。

それならいっそのこと、介護に専念して細々と生活すればなんとかなるのではと仕事を辞める人もいます。ここで見落としがちなのが「介護によって自分の未来の収入がなくなる」という問題です。

「今は介護が大変だから仕方がない」そう思って仕事を辞めてしまった場合、介護が終わった時に収入を得るための仕事もなくなっていたらそこから生活を立て直すのは容易ではありません。何年も介護に没頭してしまうと社会変化への適応が難しくなり、またもっとも活躍し得る壮年期を過ぎてしまうことから、介護終了後の再就職はかなり厳しくなります。

だからこそ、完全に仕事を手放す前に

✓勤務時間を調整する

✓休暇制度を利用する

✓在宅勤務を検討する

など、「とにかく仕事を繋いでおく」ことが大切です!!!

さらに考えておきたいのが『介護にかかる費用』と『自分自身の生活費』を分けて考える事です。介護にお金を使いきって自分自身の老後資金がなくなってしまわないようにしましょう。 仕事を辞めてしまった場合、「介護者ではない自分」を維持する場所も作っておく必要があります。社会との繋がりが完全に切れてしまう状況を避け、「またここから始められる」という人間関係を残しておきましょう。

2.「パートナーがいない」「友達がいない」を防ぐ

介護を優先するあまり、恋愛や結婚、夫婦関係を後回しにしてしまう人もいます。「今は介護があるからそれどころではない」と考えてしまいがちですが、介護が終わった後にふと、周りを見回してみればパートナーがいない・友達もいない・ご近所づきあいもしていない状態になってしまっていることがあります。

実際に、私の知人は両親の介護のために都会から故郷へ戻り、働きながら親の介護をしていました。介護する中でパートナーとの結婚もなくなり、介護のために友人との誘いを断ることも多くなり、友人らから誘われなくなりました。そして両親を見送った後、気付けばアパートに一人暮らしで、まさにパートナーがいない・友達もいない状態でした。

「いつ、孤独死してしまうか不安だ」「誰にも見つけてもらえなかったらどうしよう」と会うたびに不安を漏らしていました。

大切なことは、介護を理由に、誰かとつながる可能性を閉ざさない事です。家族でも、友人でも、恋人でもいいので「自分を支えてくれる人」「自分が支えたいと思える人」との関係を介護している最中でも、つながっていてください。会わなくても、LINEやメール、電話で少しの会話を楽しんでください。その時には、親の介護の話をしても大丈夫です。

介護の時間が空いた時や、介護が終わった時に連絡するときに「誰も思い浮かばない」ことが一番危険です。ときどき連絡を取って社会とのつながりを確保することが未来の自分を救う手立てになるのではないでしょうか。

3.「やりたいことがわからない」を防ぐ

介護中は、「母のため」「父のため」「家族のため」と自分の時間を割いて懸命にお世話をしてきたのに介護が終わって一息ついたときに、自分にはなにも残っていないことに気付きます。

あれ?私にはなにも残っていない・・・。介護を一生懸命して頑張ってきた人ほど、起こりやすいと言われています。やりたいことがわからないことが介護のバーンアウトで一番危険だと言えるかもしれません。

なぜなら、やりたいことが分からないということは、生きていることの意味を見いだせない状況のため、人は安易に自死に至ってしまうこともあり得るのです。うならないために「自分がしたいこと」「やりたいこと」「好きなこと」を介護の隙間時間を見つけて続けてほしいと思います。

撮り溜めしたドラマを見る

動画やSNSを見る

料理をする

カフェに行きたい

どんな小さいことでも、やりたいことをやることを諦めないでくださいね。出来る範囲でいいので少しずつ実行してみましょう。介護が終ってから自分の人生を始めるのではなく、介護をしながらでも自分の人生を少しずつ続けていきましょう。 自分の時間を作るためにケアマネに頼ることもひとつの手段です。「親や家族を施設に預けて遊ぶなんて申し訳ない」と思いがちですが、そんなことはありません。ショートステイや定期巡回サービス、デイサービス、訪問介護などを組み合わせてプロの力を使いながら自分自身のやりたいことや時間をうまく作りましょう。

4.上手な介護は自分とのバランス

我が家では、二人の祖母を自宅で看取りました。母がキーパーソンで介護をしていました。実母の介護の時は仕事をしながら、ケアマネージャーに相談しデイサービス、訪問介護、訪問看護、在宅医、ヘルパーも総動員して、趣味に宗教活動に家のことにとフルで活動していました。

趣味はコーラスにパチンコ、絵を描いたり韓国ドラマを観たりと色々ありましたが、全てを同時に実行出来ていて、何ひとつ諦めたものはありませんでした。そして姑の介護の時は、母の年齢は75歳で姑は101歳でして、老々介護となっていました。

その時は仕事を辞めていましたが、介護が始まってしばらくして、コーラスは辞めましたがパチンコは夜になると出かけていつのまにか帰ってきて姑の身体を拭いたり寝具を整えたりしていました。友人関係や宗教活動など何一つおろそかにすることなく、継続していました。

そして姑が亡くなった後、バーンアウトするのではないかと心配しましたが、友人や周囲の人たちや家族の支えがあり心が沈む暇もなかったようです。さらに姑は103歳という大往生だったため母も納得して見送れたようです。母は、家族、友人らを大事にすると同時に、自分自身のことにも手を抜かない。その為、バーンアウトしなかったのだと思います。

5.まとめ

介護の終わりは人生の終わりではありません。介護と同時進行で自分自身の人生は続いていきます。むしろ「自分自身の人生は介護が終ったところから再スタート」よりも「同時進行」と捉えていただきたいと私は思います。

介護をしていると、自分自身を後に回しがちですが、介護が終った時に、その先にあるのは自分自身の人生なのです。

✓お金を残す

✓仕事を繋ぐ

✓人との関係を切らない

✓友達を大事にする

✓自分の「好き」を忘れない

✓社会福祉の仕組(介護のプロ)を利用する

介護も大切ですが、それよりも大切なのは『自分の人生を生き切る』ことではないでしょうか。私たちには未来があります。


この記事を書いた人

看護師:栗巣正子 <経歴> 看護師歴 23年  大阪府堺市で、50床~2000床の病院勤務(内科、外科、手術室、整形外科、療養病棟)。 離婚後、鹿児島県鹿屋市にて、老人保健施設、透析専門クリニックに勤務 大手生命保険会社に、営業主任として3年勤めた後、地域密着型の内科総合病院に17年(介護保険病棟、療養病棟、急性期病棟、心臓内科、腎臓内科、肝臓内科、消化器内科、呼吸器内科、腹膜透析、血液透析、外来、救急外来、訪問看護)勤める。 現在は、派遣ナース、非常勤での健診スタッフ、訪問看護指示書作成等の委託業務、ナース家政婦登録 <資格> 正看護師/普通自動車免許/大型自動車免許/けん引免許/たん吸引指導者/ペットセーバー/労災ホームヘルパー(A)

看護師:栗巣正子

<経歴>
看護師歴 23年 
大阪府堺市で、50床~2000床の病院勤務(内科、外科、手術室、整形外科、療養病棟)。

離婚後、鹿児島県鹿屋市にて、老人保健施設、透析専門クリニックに勤務

大手生命保険会社に、営業主任として3年勤めた後、地域密着型の内科総合病院に17年(介護保険病棟、療養病棟、急性期病棟、心臓内科、腎臓内科、肝臓内科、消化器内科、呼吸器内科、腹膜透析、血液透析、外来、救急外来、訪問看護)勤める。

現在は、派遣ナース、非常勤での健診スタッフ、訪問看護指示書作成等の委託業務、ナース家政婦登録

<資格>
正看護師/普通自動車免許/大型自動車免許/けん引免許/たん吸引指導者/ペットセーバー/労災ホームヘルパー(A)

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