入院して患者さんと一番関わることが多い看護師。
いつも忙しく動いている看護師ですが、実はおもしろい癖があったり看護師ならではの視点があったりします。
それを話すとみんな口をそろえて「あるある」と会話がはずんだりします。
この記事では、ちょっと笑える看護師のあるあるをご紹介します。
この記事の目次
①検温のとき、つい血管に目がいく
みなさんが看護師の仕事でまず想像するのは、注射や採血ではないでしょうか。
医療ドラマでも、注射器と針を持った新人看護師が緊張した面持ちで患者さんのもとにいく。なんて描写をなんども見かけたことがありますよね。
実際に医療現場でも、注射や採血は一人前の看護師になるための登竜門でもあり、先輩看護師から受ける最初の洗礼でもあります。
はじめは、新人看護師同士で採血の練習を行いますが、場合によっては先輩看護師や指導者、健康診断のときに他のスタッフの腕を借りる場合があります。
練習をしているとき、同僚はもちろん先輩や上司も集まってきて「ここから針を刺したらいけるよ」や「あ、そんな角度からいったら漏れるじゃない」など容赦のないヤジが飛んできます。
新人看護師は業務をこなしながら採血の注射の練習もするので、勤務の時に患者さんのベッドサイドで検温をしているとき、つい血管に目が行きます。
(Aさん、血管出てるな。採血しやすそう・・・。)
(この血管なら、針をこんな風に刺したら一発で入りそう)
(留置針22ゲージの大きさでも入りそう。さしたいなぁ。)
と脳内で採血のシミユレーションをします。
かつては、震える手で注射と針を持っていた新人看護師もいつの間にか長い、看護師生活の中で血管マスターと言われるほど上達していきます。
看護師歴26年を迎える私もその一人で、今ではどんな血管もほぼ一発で入れることができます。
そんな私の座右の銘は
「狙った血管は逃がさない」「一針入魂」「私、失敗しませんから」です。
おそらく、ほとんどの看護師が採血のときに頭の中で流れている曲は必殺仕事人じゃないかと思っています。
②仕事中の「落ち着いてますね」「暇ですね」は最凶フラグ
日々、忙しく業務をこなしている看護師ですが、看護業界では言ってはいけない言葉があります。
それは
「今日落ち着いてますね」「今日暇ですね」です。
患者さんの対応・検温や検査・処置・カンファレンスなど分刻みで忙しい看護師ですが、日によっては落ち着いている時があります。
そんなときについその言葉を言ってしまうと、その瞬間から示し合わせたようにナースコールが鳴りだしたり、緊急入院が立て続けに入ってきたり、患者さんの状態が急変したり、医師の指示が入ったりします。
そのため、看護師の間では「落ち着いている」「ひまだね」という言葉は仕事が終わって病棟を後にするまでは絶対に言ってはいけない言葉となっています。
私の経験談ですが、日勤で働いていたとき午前中は落ち着いていたので心の中で(よしよし。この調子)と思っていました。
しかし、昼食を食べ終えて病棟に帰る階段で後輩がはっきりとした口調で「今日、落ち着いてますね」と言ってしまいました。
「あ・・・。あー。そうだね・・・。」と返事をしながら、(あー言ったな~。午後から荒れるぞ~。)と気まずい雰囲気が流れました。
案の定、休憩が明けて病棟に入ったら緊急入院3名うち1名は重症。
定時を超過し2時間残業になりました。
仕事が終わってから、後輩は「午前は落ち着いていたのになぁ」とつぶやいた途端に「だから忙しくなったんかー!その言葉ったらなんか知らんけど忙しくなるのよ!」とベテラン看護師たちから本気で責められていました。
なぜ、その言葉を言うと忙しくなるのかはいまだ解明されていませんが、どの診療科目の病棟でも共通らしく、看護師の間では暗黙の了解のようです。
③病室で物音がするとビーチフラッグスのようにダッシュする
病室で大きな物音がすると、看護師は血相を変えて走っていきます。
その姿は、まさにビーチフラッグスのよう。
なぜかというと、大きな音=患者さんが転んだ可能性があるからです。
転んでしまうと骨折や頭を打ってしまうことがあるため、走って病室に駆けつけるときにさまざまなシーンを想像しながら走っています。
「どこから音がした?」「あの音はベッド柵ね」「転んだ?誰が?」「頭は打ってないかな。骨折してないかな」
「主治医は誰?今日出勤?今何してる?」などを瞬時に頭の中で考えます。
走る看護師は1人ではなく、病棟スタッフほとんどが走ってくる場合もあります。
場合によっては、半狂乱になりながら「なに!?なに!?なに!?」と叫びながら飛び込んでくるスタッフもいます。
血相を変えて病室に飛び込んできたとき、看護師やリハビリスタッフが誤ってベッド柵を落としたと分かると「なーんだ」とちりぢりに離れていきますが、大きな物音がしたときは行くまでは生きた心地がしません。
そのため、自分が病室にいるときに大きな音をたてると数人の看護師が血相を変えてやってくるのが想像できるのでベッド柵を置く場所に神経を使います。
もし、大きな音を立ててしまった場合は、廊下に向かって「大丈夫でーす!」と大きな声で知らせています。
④入院時の「持参薬なし」でガッツポーズをする
患者さんが入院してきたとき、看護師はたくさん確認することがあります。
病気の経緯、今までどんな病気をしてきたか、治療はなにをしているのか、家族構成や荷物の確認や書類関係、主治医からの指示を確認します。
もちろん今まで飲んでいた薬を確認することも看護師の仕事です。
一般的には、薬の管理は薬剤師の仕事じゃないの?と思いますよね。
もちろん、大きな病院だと薬剤師が病室に訪室して内服状況の話を聞きますが、民間の病院だと看護師がまず話を聞いて薬剤師へ検薬の依頼をことが多いです。
患者さんによっては、「家にある薬を全部持ってきた」ということも多く、現在飲んでいないものも含まれているため、お薬手帳を照らし合わせながら確認することがあります。
これがまた、ものすごく大変で、時間がかかります。
よくあるのが、内服のヒート(薬剤を分けるパッケージ)を丁寧にひとつひとつハサミで切って複数ある錠剤をタッパーに一緒に入れている場合です。
ひとつひとつ、数を数えて仕分けるのに膨大な時間がかかります。
これは、入院処理の中で一番時間がかかるため後回しにしがちで、気が付けば薬剤科は退勤している時間で今日・明日の内服を看護師がセットすることも少なくはありません。
この業務こそが、看護師の残業時間を増やしている原因にもなっていると言っても過言ではありません。
しかし、入院時に患者さんやご家族から「薬は飲んでいません」と聞くと心の中でガッツポーズをしています。
ナースステーションに帰って「入院のAさん、持参薬ありません」というと周りの看護師から「やったー」とかバンザイをしている病院も多いのではないでしょうか。
仕分けや薬の内容を確認する時間が減るだけでも入院処理が短縮できます。
なによりも、内服をしていないのは健康な証拠。
治療に影響を及ぼす病気が少ないほど、病気やケガがはやく治るので看護師は安心します。
⑤仕事のやり残しはだいたいお風呂で思い出す
検温に処置、入院に退院の見送り、カンファレンスに病状説明、入浴介助にシーツ交換。
看護サマリーの作成に週1回の看護計画の評価・・・。
看護師の業務は多岐にわたり、いつも時間に追われています。
そんな忙しい1日を終えて、ようやくリラックスできるのがお風呂の時間です。
シャワーを浴びてあたたかい湯船につかって心身ともにホッとした瞬間、頭をよぎることがあります。
(あの記録、書いたっけ?)
(あの処置の変更、伝えたっけ?)
(患者さんに言われてたことするの忘れてた)
仕事を終えてゆっくりくつろぐ時間なのに、なぜか仕事のことを思い出してまた仕事モードになることも少なくありません。
だいたい忘れていた内容も、業務には支障のない些細なものだったりします。
しかし、思い出したら気になってしまい落ち着かなくなって結局、職場に電話で伝えます。
白衣を脱いでも、看護師の脳内は仕事をしています。
⑥おわりに
この記事では、看護師の業務にまつわる「あるある」をご紹介しました。
まだまだ、「看護師のあるある」は書き切れないほどたくさんあります。
ご紹介した「あるある」はほんの一部でしかありません。
忙しく動き回る看護師を見て、「看護師あるある」を思い出してクスっと笑ってもらえたら幸いです。
引用・参考文献
ナスキャリ 看護師あるある25選!あなたはいくつ当てはまる?
ハルカブログ 看護師あるある30選!共感できるナースの日常
この記事を書いた人
大竹 加代子
大阪在住。身内の死をきっかけに、よりよい生き方を社会に広めたいと思い看護師となる。
整形外科・外科・脳外科・内科・循環器の急性期病棟を経て、回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟へ勤務・現在に至る。
現役看護師として医療に携わる一方、こころの健康が身体の健康に及ぼす影響を実感し、こころと身体の健康を取り扱う看護師Wellnessナースとしてメンタルケア・認知科学の学びをすすめながら、適応障害の人のための電話相談やセミナー開催に向け取り組んでいる。
《経歴》
看護師歴25年
プロコミュニケーター
NLPマスタープラクティショナー
一般社団法人 日本ナースオーブ所属 Wellnessナース
保険外訪問看護 看取り対話師
《執筆》
株式会社 ELAN 様
看護師が解説!高齢者の骨折予防
看護師監修 介護側の食事指導
note 女性の適応障害に適応するブログ
《講座》
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