「腰まわりの違和感は、腰が弱いから」は本当か?
「腰に負担がかかるのだから、腰を鍛えなければ」と思っている方は多いかもしれません。たしかに、腰まわりの筋肉は姿勢を支える上で重要です。
ただ、腰椎(腰の骨)はその構造上、周囲の筋肉全体でバランスをとることで安定しています。腰そのものよりも、腰を下から支えている部分に目を向けると、見えてくるものがあります。
そこで、見落とされがちなのが「お尻の筋肉」です。お尻が弱いと、腰が「代わり」をする
歩く・立ち上がる・階段を上る
日常のあらゆる動作で、実は「お尻の筋肉」が主役を担っています。
お尻の筋肉(臀筋群)は、骨盤を安定させる土台の役割を果たしています。
ここが弱くなると、骨盤が傾いたり揺れたりしやすくなり、その不安定さを腰椎が補おうとします。
腰椎は本来、体の「軸」として垂直方向の負荷を受けるよう設計されています。
お尻が機能しない分の「ずれ」や「揺れ」を毎日受け続けることで、腰まわりへの負担感につながる場合があります。
お尻の筋肉が機能することで、骨盤が安定し、腰椎への集中した負荷が分散されやすくなると考えられています。
就寝前 約2分のエクササイズで腰まわりをケア ①貝パカ運動(レベル★)
横向きで行う、お尻の横の筋肉(中殿筋)を意識しやすいエクササイズです。
腰への負担に配慮しながら、股関節まわりの筋肉を動かします。
① セットアップ
横向きに寝て、両膝を軽く曲げて重ねます。
② 動作
かかとはつけたまま、上の膝をゆっくり開きます。
③ キープ・回数
開いた状態で3秒キープ。
左右5〜8回ずつ行います。
【ポイント】
体が後ろへ倒れないように、横向きをキープ。
お尻の横(中殿筋)が締まる感覚を意識しましょう。
ヒップリフト(レベル★★★)
※ こちらは難易度が高めのエクササイズです。無理のない範囲で取り組んでください。腰や膝に不安のある方、高齢の方は、①貝パカ運動からはじめてみてください。
仰向けに寝て、お尻を持ち上げるエクササイズです。お尻ともも裏を使って骨盤を安定させる動きを意識しながら行います。
① セットアップ
仰向けに寝て、膝を立てます。足は腰幅程度に開き、腕は体の横に自然に置きます。
② 動作
お尻をゆっくり持ち上げ、肩・腰・膝が一直線になる高さで止めます。
③ キープ・回数
その状態で3秒キープし、ゆっくり下ろします。5〜8回を目安に行います。
■ 意識するポイント
お尻ともも裏(ハムストリングス)に力が入る感覚があればOK
内ももを意識したい方は、膝を軽く閉じた状態で行うと、骨盤底筋群の活性化につながることがあります
「肩・腰・膝が一直線」が上げすぎない目安。腰を反らせてまで高く上げる必要はありません
※注意点
① 腰を反らせない(腰椎への負担が増す場合があります)
② 息を止めない(キープ中に無意識に息を止める方が多いです。血圧の急上昇につながる場合があります)
③ 膝に違和感がある方は、動作の範囲を無理に広げないでください
あなたの腰は、これからも使い続ける大切な土台です。
※ 運動を始める前に、腰・股関節・膝などに持病のある方、治療中の方は、必ず医師の指示のもとで行ってください。本コラムは医療行為・診断・治療を目的としたものではありません。
1. お尻の筋肉(臀筋)が腰痛予防に重要な根拠
厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」
2. 「中殿筋(お尻の横)」や股関節を動かす有効性
厚生労働省「健康情報サイト」
この記事を書いた人
■池田香 整体師・トレーナー 歴16年半以上
トレーナー実績
星槎国際高校湘南 女子サッカー、(公社)日本フェンシング協会(オリンピック選手経験)、他
長崎県出身。福岡リゾート&スポーツ専門学校スポーツトレーナー科(当時)卒業。
2009年4月新卒入社。カラダファクトリーオーロラモール東戸塚店に約6年半所属。2010年1月よりスポーツトレーナー活動を開始。現在人事企画部(ES・スポーツ)マネジャー。
スポーツトレーナーとしてアスリートの練習・遠征・大会に帯同するほか、ファクトリージャパンのスポーツトレーナーチーム「KA・RA・DA Experts for sports」でスタッフ管理やトレーナー研修を主催。
また、IHTA認定講師としてトレーニングメニューの監修を行う。
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