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全身性エリテマトーデスは頑張らないことが治療法!

全身性エリテマトーデス(SLE)は免疫の異常により全身の皮膚・関節・内臓などに炎症が起きる病気で、膠原病の一つです。主に20~40歳の比較的女性に発症しやすいため、就職や結婚、妊娠出産などに様々な影響を与えていきます

全国に約1~10万人の患者がいるといわれており、2014年には『ディアシスター』というドラマで石原さとみさんが全身性エリテマトーデスの患者を演じて話題になりました。

また、元宝塚トップスターの安奈淳さんも全身性エリテマトーデスであることを公表されています。

安奈淳さんは病気がきっかけで『持たない暮らし』を始めたそうです。同じように、とにかくストレスフリーで過ごしたい!と、習慣を見直し、頑張らない治療をしながら日々の生活を続けている方が多いようです。

そこで今回は『頑張らない治療法』とはどのようなことかを中心に全身性エリテマトーデスについてお伝えします。

この記事の目次

1.全身性エリテマトーデスの症状と経過について

全身性エリテマトーデスは症状の強い活動期と勢いが弱い非活動期を繰り返しながら慢性的な経過をたどります。

適切な治療を行うことで、症状のない寛解(かんかい)状態を維持することができます。

それではどのような経過をたどるのでしょうか。

①初期症状

38℃前後の発熱、全身がだるくて疲れが取れないといった風邪に似た症状が数週間~数か月続き、体重が減少します。

②特徴的な症状出現してくる

特徴的な症状とは次の5つです。

⑴鼻を中心に蝶が羽根を広げたような紅斑『蝶形紅斑』や日光を浴びると症状が悪化する『日光過敏症』が出現します。

⑵指・手首・肘膝など、複数の関節に腫れや痛みが生じます。(日によって痛みの場所が変わることもあります)

⑶口の中に口内炎が出現します。

⑷抜け毛が多くなります。

⑸手足の指先の血管が過剰に収縮し血行障害を起こして白くなる『レイノー現象』が出現します。

このような症状が落ち着く非活動期と悪化する活動期を繰り返しながら慢性的に経過していきます。

しかし、強いストレスをきっかけに重症化する場合があります。

③重症化する場合

⑴腎臓の炎症(ループス腎炎)を発症します。さらに悪化すると腎機能が低下し、腎不全になると人工透析が必要になります。

⑵中枢神経に炎症が起きると、うつ症状やけいれん発作、意識障害を引き起こすことがあります。

⑶心肺に影響すると心筋炎・筋膜炎・肺出血のリスクが高まります。

⑷血小板や白血球が減少すると脳梗塞、感染症のリスクが高まります。

これらの症状が落ち着くためには、病気と闘うことではなく『病気を自分の一部として受け入れ、共存する』という意識のシフトが非常に重要になります。

この考え方に切り替えることで日々のストレスを軽減し、主体的に日常生活をコントロールしやすくなります。この取り組みが『頑張らない治療法』です。

2.全身性エリテマトーデスと上手く付き合うための頑張らない治療法

頑張らない治療で必要なのが薬物療法による症状のコントロールとストレス回避です。

①頑張らない薬物療法

全身性エリテマトーデスの薬物治療は大きく進歩しています。

病状や合併症によって処方される薬は異なりますが、近年はステロイド薬を減量し副作用を最小限に抑える『頑張らない薬物療法』が主流になっています。

療法薬(抗マラリア薬)は、関節炎や皮膚の症状を抑えて臓器障害の進行を予防する効果があります。また、生物学的製剤・分子標的薬は炎症を引き起こす物質をピンポイントで抑える

効果があります。いずれも再発の予防や予後の改善に高い効果を発揮しています。

ただし、症状が落ち着いているからといって自己判断で薬を減量したり、中断することは絶対に避けるようにしましょう。

必ず医師の指示通りに薬を服用し定期受診を続けることが、結果として心身の負担を減らし『頑張らない薬物療法』の効果を上げることにつながります。

②頑張らない運動療法

もっとも適した運動は翌日に疲れが残らない低負荷の運動と有酸素運動の組み合わせです。

ウオーキングや軽いストレッチも良いですが、私がお勧めするのは『ジグリング』です。

ジグリングはかつて貧乏ゆすりと言われていましたが、冷えや浮腫み、関節症状の緩和に有効な頑張らない運動療法です。

やり方は簡単!膝を90度に曲げて椅子に座り、両手足をぶるぶる小刻みに揺らすだけです。

これなら関節や筋肉に負担をかけずに血流を促すことが出来ますね。

毎日、好きな時間に行ってください。

③『やらなければならない!』という思考をやめる

常に「私がやらなければならない」と自分を奮い立たせることは決して悪いことではありません。しかし、責任感が強くて頑張りすぎてしまうと、自分を休ませることに罪悪感を感じてしまいます。

知らないうちにすべての責任を一人で抱え込み、心身ともに疲れやすくなります。

休むことは怠けることではありません。「今日はよく頑張った!」と自分を褒めて、翌日は頑張らない日にするなど、心と体のバランスを保つことも治療の一つです。

以上3つの『頑張らない治療法』を行いながら以下の注意点を守ることが大切です。

3.日常生活での注意点

全身性エリテマトーデスは、寛解の時期であっても誘因によって再び悪化することがあるため以下の①~⓹に注意する必要があります。

①紫外線を避けること!

紫外線にあたると日光過敏症の影響で皮膚に発疹や水疱が出現し熱が出やすくなります。重症化しないように徹底した紫外線対策が必要です。具体策を表にまとめましたので参考にしてください。

②ストレスを避けること!

慢性的なストレスは自律神経やホルモンのバランスを乱して免疫力を低下させ、全身性エリテマトーデスの進行を加速させていきます。

病気の進行を予防するために3つのストレスを避けることが大切です。

⑴精神的ストレス

不安な気持ちで緊張した状態が続くと免疫系に影響します。好きな音楽を聴く、紫外線の強い時間を避けて外を散歩する等リラックスする時間を持つようにしましょう。

⑵肉体的な疲労

長時間の作業や仕事、激しい運動は交感神経を優位にして自律神経を乱していきます。

無理は禁物!

休憩をはさむ、明日出来ることは明日に回すなど規則正しい生活と十分な休養を心がけるようにしましょう。

⑶環境的ストレス

紫外線だけではなく冷えによる寒冷刺激も関節の痛みや腫れ、レイノー現象の引き金になります。暑い時期は長時間の冷房を避け、特に太い血管が通る三首と言われる場所(首・手首・足首)を浸さないようにしましょう。

③妊娠や出産については慎重に主治医と相談すること!

全身性エリテマトーデスであっても半年以上安定していれば妊娠・出産は可能です。ただし、妊娠中は使用できる薬が制限され、過度にストレスがかかると流産や早産、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。

心配なことはすべて主治医に伝えて生活スタイルに合わせた治療計画を一緒につくっていくことが大切です。

4.膠原病の医療費助成について

全身性エリテマトーデスは根本的な治療法が確立されていないため『指定難病・第49番』に指定されています

認定を受けるには以下の判断基準を満たした上で重症度分類に該当する必要があります。

【診断基準】11項目の診断基準(顔面紅潮・光過敏症・関節炎など)一定の基準を満たすこと。

【重症度基準】疾患性スコアなどを用いて一定以上の重症度であると認められること。

制度については地域を管轄する保健所や各都道府県・指定都市難病相談支援センターで相談することができます。

認定された場合は診察や薬代などの自己負担額に上限が設けられ、所得に応じて公費援助が受けられます。ただし、病気の症状や基準を満たしているかは個人差が非常に大きいため、まずは治療を受けている医療機関に相談してみると良いでしょう。

まとめ

全身性エリテマトーデスは早期発見と適切な治療によって通常の日常生活を送ることが出来ます。しかし、せっかく理療効果の高い薬を服用しても「仕事をしなければならない」「家事をしなければならない」といった頑張りを続けていると、かえって症状を悪化させるきっかけにもなりかねません。

主治医の指示を守り、頑張らない治療を続けることがより良い生活につながります。

参考資料

成人看護学専門Ⅱ『アレルギー・膠原病・感染症』医学書院

都道府県・指定難病支援センター一覧

難病情報センター


この記事を書いた人

福井三賀子 <プロフィール> 小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。 同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。 結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。 在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。 現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。 <経歴> 看護師経験20年。 外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来) 介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム) 介護支援専門員6年 <資格> 看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター <活動> 講座「更年期は黄金期」 ブログ「幸せな更年期への道のり」 メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」 スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」

福井三賀子

<プロフィール>
小児内科、外科、整形外科の外来と病棟勤務で看護の基本を学ぶ。
同病院の夜間救急ではアルコール中毒、火傷、外傷性ショックや吐血、脳疾患など多くの救急医療を経験。

結婚後は介護保険サービス事業所で勤務しながらケアマネジャーの資格を取得。6年間在宅支援をするなかで、利用者の緊急事態に家族の立ち場で関わる。

在宅支援をしている時に、介護者である娘や妻の介護によるストレスが社会的な問題に発展していることに気づき、心の仕組みついて学びを深めると同時に更年期の女性について探求を始める。
現在は施設看護師として入居者の健康維持に努めながら50代女性対象の執筆活動やお話会、講座を開講している。

<経歴>
看護師経験20年。
外来、病棟(小児・内科・外科・整形・救急外来)
介護保険(デイサービス・訪問入浴・訪問看護・老人保健施設・特別養護老人ホーム)
介護支援専門員6年

<資格>
看護師/NLPマスタープロテクショナー/プロコミニュケーター

<活動>
講座「更年期は黄金期」
ブログ「幸せな更年期への道のり」
メルマガ「50代女性が自律するためのブログ」
スタンドFMラジオ「幸せな更年期への道のり」
動画配信YouTube「看護師mikakoの更年期チャンネル」

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