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看護師監修 介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

脳梗塞といった病気の後遺症や、加齢に伴い、食べ物を飲み込む筋肉や、反射が衰えていきます。

食事を十分にとることができず、体重が減少したり、筋力が低下したり、場合によっては、肺炎や窒息といったいのちに関わる危険性があります。

今回は飲み込む力が低下したときの対処法について触れていきたいと思います。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法
この記事の目次

飲み込む力が弱くなると起こる症状

飲み込みが弱くなると、どのような症状が現れるのでしょうか。

次に紹介する症状が、複数個ある場合は飲み込みが弱くなっている可能性があります。

①食事中にむせる

飲み込む力が弱くなると、食事中にむせることが多くなります。
特に、水分を含んだ食べ物を食べるとむせやすくなるのは要注意です。

通常、食べ物を飲み込むときは、喉仏が持ち上がり、気管を閉じますが飲み込みが弱くなっていると気管を塞ぐことができません。
その結果、気管に食べ物が入りやすくなり、むせるようになります。
また、食べ物が気管に入りやすいことで、窒息の危険性が高くなるため危険なサインです。

②食事に疲れるようになる

飲み込みに時間がかかると、食事をすることが疲れてしまいます。
食後に疲れている・なんとなくぐったりしている場合は要注意です。

食べ物を飲み込みにくくなると、口に入れて噛むときに時間がかかるため、食事をする時間も長くなります。
その結果、食事のときに疲れて、ぐったりしていることが多くなります。

③柔らかく噛まずに食べられるものを好む

口の中でしっかり噛む=食べ物をひとまとめにすることができないと、飲み込みにくくなります。
特に硬い食べ物は、しっかり噛まないと飲み込みにくいので、意識的に避けるようになります。
その結果、ゼリーや麺類、お粥といった柔らかくたべやすいものを選ぶ点も特徴的です。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

飲み込みが弱いなと思ったら

食事時間の、どのタイミングで発生するのか観察する

飲み込みが悪くなると、むせるような咳が出てきます。
むせるような咳をするのは、食べ物が気管に入ったサインです。

咳がでるタイミングによって原因は2つに分けられます。

①食事前半

食事を始めてからすぐに咳をする場合は、飲み込むタイミングが合わなくて咳をすることがあります。
また、飲み込む力が弱っているため、今の食事の形態が合っていないかも知れません。
かかりつけの医療機関や訪問看護師へご相談ください。

②食事後半

食事を開始して、最初は咳をすることなく食べていたけど、食事が進むにつれて咳が出てきた場合は、疲れが出てきた可能性があります。
一時休憩して様子をみたり、一口量を少なくしてみたり、口に運ぶペースを遅くしてみるなどの工夫をしてみてください。飲み込みが弱いからゆっくり時間をかけて食べたらいいわけではなく食事をする時間を区切る必要があります。

その人の体力や持久力にもよりますが、一つの目安は30分です。
長くても1時間以内で区切りましょう。

トロミをつける

口に中で食べ物をまとめることができなくて飲み込みが弱い場合があります。
また、高齢者の場合、食べ物をひとまとめにする働きのある唾液の分泌が少ないこともあります。

トロミを使うことで飲み込みやすくなり唾液の働きを補ってくれます。

トロミは片栗粉や市販のトロミ剤を使うことでつくることができますが、その人の飲み込みのレベルにあったトロミの粘り気があります。
トロミが、弱すぎるとむせてしまうし、強すぎると飲み込めずに気管に入り窒息の危険性もあるため注意が必要です。

心配な時はかかりつけの医療機関か訪問看護師へご相談ください。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

飲み込みにくさを改善する方法

①飲み込みやすい食事を提供する

その方の飲み込む力に合った、食べやすい形態の食事を作ることが大切です。
口の中で食べ物をひとまとめにできず、飲み込むのが難しい場合は軟らかくしたり、細かくしたりする工夫が必要です。
ゼリー状にしたり、濾したりすることで食べやすくなります。

本人にとって、飲み込みやすい食事形態については、かかりつけの医療機関にご相談ください。
言語聴覚士や栄養士など、専門スタッフが食事についてアドバイスしてくれます。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

②食事のときの環境・姿勢に注意する

食事内容に工夫は必要ですが、食事のときの環境や姿勢も大切です。
周囲の話し声やテレビに意識がいったりすると、飲み込むことに集中できない場合があります。
食事中はテレビを見ずに、落ち着いて食べられるように環境を整えていきましょう。
また、姿勢が崩れていると飲み込みづらくなり、むせやすくなるので姿勢のチェックも行っていきましょう。

食事の途中で、疲れて姿勢が崩れることもあるため体が傾いて、前かがみになっていたらもとの位置に戻してあげましょう。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

③食べ方に気を付ける

飲み込みが低下していると一度に多くの食べ物をのどに送ることができずにむせや窒息の危険が高まります。

口に運ぶ量を調整する観察点としては

口に入れる量が多くないか
口に入れた時に噛む時間が長くないか
・飲み込みはうまくできているか

を観察し本人へ声かけを行い、必要ならば、スプーンを小さなものに変更するといった工夫をすることで口に運ぶ量を調整できます。

また落ち着いてゆっくり食べられるように時間に余裕をもって準備することも必要です。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

④口の中の環境を整える

食べることは噛んだり、飲み込んだりするだけでなく、口の中の環境を整えることも大切な役割を持っています。
口の中が乾燥していると、唾液が出にくくなります。
食べ物を、かたまりにして飲み込むことができないほかに、細菌が入り込む機会をつくり肺炎を引き起こすリスクもあります。そのため、歯磨き・うがいは重要です。

また、食事前に口の中を水分で潤すことで刺激となり、唾液の分泌が増えるとともに目が覚めて食事を認識することができて飲み込みやすくなる場合があります。

入れ歯を使用されている方は毎食ブラシで磨いて、寝る前に入れ歯洗浄剤で汚れを落とし清潔に保つことをおすすめします。

介護側の食事指導④飲み込む力が低下したときの対処法

4,まとめ

飲み込みが弱くなってくると、楽しみでもある食事が満足にできないほかに、栄養不足で体重低下や筋力低下・体力低下につながり、日常生活を送っていくうえで支障がでてきます。
さらに、気管に食べ物が入りやすいと肺炎や窒息の原因となるため危険です。

食事のときに、むせてないか・飲み込めているかを確認してください。

飲み込みが弱い場合は、リハビリテーションを通して維持・改善することができます。
専門の医療機関もあるので、かかりつけの医療機関へご相談されることをおすすめします。


この記事を書いた人

看護師:渡邉加代子

渡邉 加代子

【プロフィール】

看護師歴24年目。
これまで急性期(整形外科・外科・脳外科・内科・循環器)病棟での勤務を経験。
2016年に現在の職場に転職し、回復期リハビリテーション病棟は配属となる。
2019年から栄養サポートチームに所属し、各専門職と協力して週1回、入院患者様の栄養ケアを行っている。
今後は、退院先での適切な栄養ケアが継続できるようにパンフレットの作成や地域高齢者を抱えるご家族への栄養相談や講座の開催を考えている。

【所属】

一般社団法人 日本ナースオーブ所属 ウェルネスナース

【執筆】

食と健康について考えるブログ/note

【講座】

Wellnessチャートで賢くやせる/ウェルネス講座

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