
日本の気候は、夏は高温多湿のため暑くてジメっとし、冬は一転し乾燥して厳しい寒さに見舞われるのが特徴です。
夏のジメっとした感じや冬のカサカサした不快な感じは、みなさん経験あるのではないでしょうか。
日本の夏は、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすい気象条件と、海に囲まれた地形が重なるため高温多湿になってしまいます。
また冬はシベリアからの乾燥した冷気が日本海で水分を落とし、山を越えて太平洋側に乾いた風(からっ風)が吹くため、空気が乾燥しやすくなります。
サラッと心地よく健康的に過ごす方法の一つに、湿度をコントロールすることが大きなカギになります。
このコラムでは健康になる湿度、湿度の調整方法についてお伝えします。
この記事の目次
1. 健康な湿度
厚生労働省が定める「建築物環境衛生管理基準」によると、衛生上良好な湿度は40~70%と示されています。湿度が高すぎる、もしくは低すぎる環境で長時間過ごした場合、健康に様々な悪影響を及ぼします。
●湿度が70%以上で起こる健康への影響
①ダニ・カビが繁殖しやすくなる
湿度60%を超えるとダニ・カビが発生し始め、70%以上で発生率はグッと上がります。
ダニやカビは、咳などの呼吸器症状、アレルギー性鼻炎や喘息などの原因となります。
また、人体への影響以外にも、食品・衣類・住宅など広範囲に悪影響となるため早めの対処が必要となります。
②熱中症・脱水症状が起こりやすくなる
汗をかいても蒸発しにくく、体に熱がこもるため体温を下げにくくなり熱中症のリスクが高くなります。
また、水分が失われていることに気づきにくくなるため脱水症状にもなりやすいと言われています。
③慢性的な不調
余分な水分を排出されにくいため、むくみ・だるさ・頭痛などの不調も出てきます。
俗に言う「夏バテ」も、高温多湿な夏だからこそ起こりやすくなります。
暑い屋外と冷房で冷えた室内による寒暖差や熱帯夜による睡眠不足などで、自律神経が乱れてしまいます。
結果、食欲低下・活力低下などの症状がみられ、栄養不足・運動不足でさらなる夏バテの深刻化につながります。
湿度が40%以下で起こる健康への影響
①感染症リスクが増加する
湿度が40%以下の乾燥した空気は、ウイルスやバクテリアが活動しやすい環境になります。鼻や喉の粘膜がカサカサに乾いてしまうため、ウイルスなどが体の中に入りやすくなります。
日本でインフルエンザや風邪が冬に流行りやすいのは、寒いだけではなく空気が乾燥していることも要因と考えられます。また、湿度が低いと痰がねばねばになるため、咳や痰などの症状が長引きやすくなります。
②肌、髪、目も乾燥する
皮膚の水分が蒸発しやすくなるため、肌荒れ・かゆみ・髪のパサつき・ドライアイなどのトラブルが増えます。皮膚のバリア機能が低下するため、皮膚のカサツキ・シミ・しわの原因にもなります。
③ホコリが発生する
湿度が低いということは、空気中の水分も少ないです。そのため静電気が発生しやすくなります。
静電気の力でホコリが空中に舞って吸い込んでしまい、咳や痰などの呼吸器症状を引き起こすリスクが高まります。

2. 湿度を上げる方法
日本では冬に湿度が下がりやすくなります。
喉がイガイガしたり、肌がぱりぱりしたりするような経験をした方は多いのではないでしょうか。
湿度を40%以上に保つための方法をいくつか紹介します。
①家電を活用する
確実に湿度を上げるためには、家電を活用するのがお勧めです。
具体的には加湿器や加湿機能の付いた空気清浄機やエアコンなどがあります。最近では設置型の高性能なものから、持ち運びできるものまでさまざまな種類がみられるようになりました。
ご自宅用だけでなく職場や車内でも、乾燥対策がしやすくなっています。
②普段の生活で工夫する
家電の購入など大掛かりな対策をしなくても工夫できることはあります。例えば、洗濯物を室内に干す、入浴後に浴室のドアを開けたままにするなどが挙げられます。
入院している患者様でも、ベッド近くに濡れたタオルを干して加湿をされている方もいらっしゃいました。
ほかにも観葉植物を置く、なべ料理などの煮込み料理をする、灯油ストーブにやかんを置くなど様々あります
3. 湿度を下げる方法
興味深い調査があったので共有します。
外国出身者に日本の暑さに関する調査を行ったところ、約8割が「日本の夏は母国より過ごしにくい」と回答されています。日本よりも熱帯地域に住んでいる方でも約6割が過ごしにくさを感じているようです。
この原因は、日本の高温多湿な気候と考えられています。
参照)熱ゼロ研究レポート:外国出身者に聞いた「日本の暑さ」に関する調査 第1弾
このように、外国と比べても過ごしにくさを感じる日本の高温多湿な夏では湿度のコントロールが重要となります。
夏でなくても雨が降ると湿度は上がりやすくなります。
快適に過ごすために、湿度を下げる方法もご参考いただけると嬉しいです。
①家電を活用する
湿度を上げる方法と同じく、確実に湿度を下げるなら家電を活用するのがオススメです。
除湿器、エアコンの除湿機能などが代表的です。
とくに除湿器は空気中の水分を溜めるタンクがあり、ほんの数時間で驚くほどの水をキャッチしてくれます。
②換気を行う
昔ながらの家は通気性がよく湿気が家に籠りにくい造りになっていました。
現在は技術が進展し気密性が高い家が増えてきました。
その上で防犯目的で窓を閉めっぱなしにしているご家庭が増えてきています。
結果、湿気が籠ってしまい、室内の湿度が上がってしまっているケースが多々あります。
換気を行うことで、家のジメっとした空気がサラッとすることもあります。
具体的には、24時間換気システムのある家なら常時稼働する、サーキュレーターを使って室内の空気を循環させるなどをした上で窓を開けるとよいでしょう。
③除湿剤を設置する
高湿度による室内のカビやダニは、押し入れや家具と壁の間に発生することが多いです。
換気が難しい湿気の溜まりやすい場所、押し入れやクローゼットなどには除湿剤を設置して湿度が上がらないようにしましょう。
家具と壁の間をあけることで湿気の停滞を予防することもできます。

4. まとめ
このコラムでは
✓ 健康になる湿度は40~70%
✓ 湿度を上げる方法
✓ 湿度を下げる方法
についてお伝えしました。
湿度は見た目にもわかりにくく、温度によっても大きく変化します。数値で見たほうが対策しやすいので、温度湿度計をご用意しリビングや寝室などに置いてみるのをお勧めします。日本で過ごす限り、湿度を制する者は体調も制することができます。
一つでも参考になりましたら、ご活用くださると大変うれしく思います。

<参考記事>
・厚生労働省 建築物環境衛生管理基準について
・ウェザーニュース 湿度◯◯%で健康への影響に注意!加湿器を使う目安は?
・東京都福祉保健局 健康・快適居住環境の指針
この記事を書いた人
冨永美紀
母親の入院で関わった看護師に心を打たれ、看護師資格を取得。
看護師の現場で、臨場の場に立ち会うことで『生死』について興味が沸く。
恩師の紹介でお寺とのご縁が結ばれ、2020年から密教塾生となり修行の世界へ。
現在は仕事と修行を両立するため岐阜県へ移住し、夫と犬2匹と自然豊かな場所で暮らす。
<経歴>
看護師歴10年
・腎臓内科、糖尿病内科、内分泌科病棟
・救急救命センター
・自由診療のクリニック
・コールセンター
・訪問看護ステーション
・家事代行業