「運動したほうがいいのは分かっているけど、時間も体力もない」
そんな声をよく耳にします。
仕事や家事、育児に追われる毎日の中で、まとまった運動時間を確保するのは簡単なことではありません。
そんなときの選択肢のひとつとなるのがEMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)です。
今回は、EMSがどのような仕組みで筋肉にアプローチするのか、目的に応じてどう使い分けるとよいのかについてご紹介します。
この記事の目次
1.EMSとは何か
EMSとは、専用のパットや器具を通して筋肉に微弱な電気信号を送り、筋肉を収縮させる技術のことです。
私たちが体を動かすとき、脳から神経を通じて「筋肉を動かす」という電気信号が送られています。
その特性を活かしたのがEMSです。
EMSは自分の意思で筋肉を動かさなくても、電気信号によって筋肉の収縮と弛緩を繰り返すため座ったままや横になった状態でも筋肉にアプローチできるのが特徴です。
2.EMSの特徴
EMSには次のような特徴があります。
・運動が難しい場面でも筋肉にアプローチができる
体力に自信がない方や、まとまった運動時間が取れない方でも取り入れやすいのが魅力です。
また、天候や体調に左右されずに、室内で座ったままでも使えるため無理なく運動習慣がつきます。
・部位を狙って使える
腹部や太もも・ふくらはぎなど、気になる部位にパットを当てて集中的にアプローチできます。
全身をまんべんなく動かす運動とは違い、「今日は下半身を重点的に」といったようにその日の目的に合わせてピンポイントで使い分けられるのも特徴のひとつです。
・ながらケアがしやすい
テレビを見ながら、家事の合間になど生活の中に組み込みやすい点もポイントです。
EMSを装着してしまえば手が空くため、忙しい方でも他の作業と並行してケアの時間を確保できます。
・運動強度を自分で調整できる
EMSの多くの製品は、強さを段階的に設定できるため、体力や好みに合わせて無理のない強さから始められます。
慣れてきたら、少しずつ強度を上げていくなど自分のペースで継続がしやすいのもメリットです。
3.目的別のアプローチ
一般的に、EMS機器の多くはダイエット目的のツールとして紹介されていることが多いですが、EMSが活躍する場面はそれだけではありません。
ここでは、目的別にEMSの活躍方法をご紹介します。
・ダイエット・引き締め
腹部や下半身など、気になる部位に絞ってアプローチが可能です。
太もも、ふくらはぎ、おなか周りは脂肪がつきやすく、落としにくい部位であるため集中的に使えるのはEMS機器ならではの利点といえます。
ただし、EMS機器単体で脂肪が減るわけではありません、
筋肉を刺激することはできても、脂肪そのものを直接燃焼させる仕組みではないためウォーキングなどの有酸素運動と組み合わせることで効果を発揮することができます。
・フレイル・サルコペニア予防
加齢に伴って筋肉量や筋肉自体がやせ細り介護が必要な高齢者が多くなっているのをご存じでしょうか。
この状態を、サルコペニアと呼ばれています。
サルコペニアが進行すると、歩く・立ち上がるといった日常生活の動作ができなくなり、生活の質を大きく左右します。
また、最近注目を集めている高齢者のフレイルという状態も医療の世界では見過ごせない課題でもあります。
フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康な状態と介護が必要な状態の中間にある段階のことを指します。
フレイルの厄介な点は、転倒・骨折・入院をきっかけにそのまま要介護状態へつながる可能性が高いことです。
その反面、フレイルの状態のときに予防することで健康な状態へ戻ることも可能です。
高齢者はもともと体力が低下しているため、持続した運動をすることは簡単ではありません。
そこで、EMS機器を使って無理なく運動をすることができるので近年、リハビリテーションのメニューに加えられるようになりました。
・美容
EMS機器は美容にも効果を発揮します。
①リフトアップ
口角や頬まわりなどの表情筋を刺激することでリフトアップが期待できます。
あわせて電気刺激で筋肉を動かすことで、血行促進されるので肌のトーンアップやくすみのケアにも一役買っています。
②ボディラインの引き締め
二の腕やお腹周り、太ももなど気になる部分を集中的にケアすることができます。
ピンポイントでアプローチできるのと、何かをしながらケアができるためくつろぎながらケアすることが可能です。
4.使用上の注意点
EMS機器を取り入れる際は、次の点に注意が必要です。
①心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方
ペースメーカーは電気信号によって心臓の動きを補助しています。
EMSの電気刺激が干渉する可能性があるためEMSを使用する前には医師へ相談することをおすすめします。
②妊娠中の女性や妊娠の可能性がある方
お腹周りへの電気刺激が母体や胎児に与える可能性があるため避けたほうがいいでしょう。
③皮膚に傷・炎症がある部位への使用は避ける
弱っている皮膚に電気刺激やパットの粘着面が触れることは刺激が強く感じられ、症状が悪化する可能性があります。
傷が治癒するか症状が治まってから使用することをおすすめします。
5.おわりに
EMSは電気刺激により筋肉にアプローチする技術で、運動時間がとりにくい方や自力での運動が難しい人にとって、取り入れやすい機器の1つです。
用途のダイエット・フレイル・サルコペニア・美容など多岐にわたり私たちの生活には必要な機器のひとつではないでしょうか。
・階段の上がり降りが楽になった。
・長時間立っていても疲れなくなった。
・鏡に映る自分の変化に気が付いた
そんな「うれしい変化」が現れてくることもあります。
EMS機器の使用と並行して筋肉を鍛えるためには栄養バランスも体づくりには重要です。
運動とあわせて、タンパク質やビタミンをといった栄養面で良質な筋肉をつくるための食事をとることも大切な習慣です。
健やかな体を手に入れる方法のひとつとしてEMSは効果的な手段ではないでしょうか。
引用・参考文献
①EMSの効果|放蕩に痩せる?筋トレ代わりになる?仕組み・メリット・注意点を専門家がわかりやすく解説
②EMSを利用したリハビリで期待できる効果。実施する際の注意点とは
③EMSや振動マシンで本当に筋肉はつく?整形外科医が医学的根拠を解説
この記事を書いた人
大竹 加代子
大阪在住。身内の死をきっかけに、よりよい生き方を社会に広めたいと思い看護師となる。
整形外科・外科・脳外科・内科・循環器の急性期病棟を経て、回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟へ勤務・現在に至る。
現役看護師として医療に携わる一方、こころの健康が身体の健康に及ぼす影響を実感し、こころと身体の健康を取り扱う看護師Wellnessナースとしてメンタルケア・認知科学の学びをすすめながら、適応障害の人のための電話相談やセミナー開催に向け取り組んでいる。
《経歴》
看護師歴25年
プロコミュニケーター
NLPマスタープラクティショナー
一般社団法人 日本ナースオーブ所属 Wellnessナース
保険外訪問看護 看取り対話師
《執筆》
株式会社 ELAN 様
看護師が解説!高齢者の骨折予防
看護師監修 介護側の食事指導
note 女性の適応障害に適応するブログ
《講座》
Wellnessチャートで賢くやせる/ウェルネス講座
【PR】関連おすすめの商品①:足腰編
【PR】関連おすすめの商品②:握力編