皆様はかかりつけの歯科はいますか?
日本歯科医師会が行った調査では、15~79歳の男女1万人の内63%の方が「いる」と回答しています。
しかし、歯科を定期受診している方は31%と、半分以上の方が定期受診していないという結果となっています。
また、もっと早く歯科を受診すればよかったと後悔している方が75.7%と言われています。
後悔している方が多い反面、歯科を定期受診している方が伸び悩んでいるのが現状です。
今回のコラムでは、歯科を定期受診するメリットを5つに分けてお伝えします。
歯科に行ったことない方も、しばらく歯科を受診していない方も、歯科を受診しようかなと思っていただけることを願っています。
この記事の目次
1.歯科を定期受診するメリット5選
2.歯科を受診する方へ
3.まとめ
1. 歯科を定期受診するメリット5選
歯科を受診してまず行うことは口の中のチェックです。専用の検査台に乗り、普段は見えにくい歯の裏側や奥歯などを診ます。
歯科の専門家である歯科医や歯科衛生士は、初期段階のむし歯・歯周病を早期発見することができます。定期的に受診することで歯の状態が経時的に把握できるので、早期発見がしやすくなります。
また、歯の状態を見ると、歯が汚れやすい箇所や歯磨きの癖がわかります。より具体的な歯磨きなどの指導ができるため、むし歯・歯周病の予防が可能となります。
歯科医院には歯科医師や歯科衛生士が在籍しているため、歯に関することを相談することができます。
むし歯・歯周病についてだけではなく、顎が痛い、歯がしみる、見た目が気になる、飲み込みにくいなどの症状も相談対象です。
こどもの歯、妊婦の歯、要介護者の歯などについても対応可能な歯科医院もあります。
口元の見た目は歯並び、歯の白さ、顎の位置などがあります。歯科では、医療的に口元の見た目を改善することができます。
例えば、歯並びや顎のズレを整えるために歯列矯正、歯を白くするためにホワイトニングなどが挙げられます。さらに口元を美しくしたいというご希望があれば、一度歯科にご相談してみてはいかがでしょうか。
歯科医師は歯の健康管理を通じて、健康寿命を延ばすという役割を担っています。
その理由は、歯の健康と全身の健康は密接な関係があるからです。
口の中には多くの細菌が存在し、その細菌が全身の健康に影響を与えることがあります。
定期的な歯科受診で、口の中の異常を早期発見・治療を行うことで、全身の病気の予防ができます。
歯の治療は、歯のトラブルが深刻であればあるほど治療費がかかります。また、歯にトラブルがある方は、前述したように全身の健康に影響を及ぼしていることもあります。
これらを考慮すると、定期的な歯科受診をすることで歯のトラブルは未然に対処できるため、生涯必要な医療費の負担を軽減できます。
2.歯科を受診する方へ
私はこの「歯を守ろう」シリーズを執筆し始めて、久しぶりに歯科を受診しました。その時に調べたこと、知っておきたかったことをまとめました。受診する時の参考にしていただけると嬉しいです。
定期的な歯科受診をする前提で、歯科医院を選んでいただくことが必要です。特に立地や診療時間・曜日がご自身の生活に合っているかどうかを確認してください。
例えば、職場とご自宅の通勤経路にある、仕事帰りに寄れる診療時間などを考慮して歯科医院を選びましょう。
現在はほとんどの歯科医院が予約制になっているため、事前に問い合わせてから受診しましょう。
また、歯科医院によっては得意分野や専門分野があります。歯科を受診する目的によって、対応可能かどうかも確認しておくとよいでしょう。歯に関する症状がなくても受診して問題ありません。
「歯の状態が問題ないか診てほしい」と予約の際に伝えるとよいです。
受診をする前に、歯磨きをしておくことを強くお勧めします。歯磨きをせずに受診をすると、食べカスや汚れが歯に付着したまま、診察を受けることになります。
治療をする時にスムーズに治療ができなかったり、歯を大切にしない人だという心象を持たれたりします。
歯を診たあとは、歯のケアを行います。
歯科医院によって異なるかもしれませんが、基本的な歯のケアは下記の通りです。
歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石を除去することができます。
定期的に歯をクリーニングすることで、歯の表面をなめらかにして汚れが付きにくくなります。
最近の歯磨き粉にもフッ素が配合されているものがありますが、歯科医院で使用されているものは高濃度のものが使用されています。
フッ素には歯を強くし、むし歯菌を弱体化する性質があると言われています。
定期的に高濃度のフッ素を塗布することでむし歯予防に繋がります。
むし歯・歯周病の予防に最も必要なのは、毎日のセルフケアです。
自宅での歯磨きの方法を指導してもらえます。
歯ブラシの選び方、正しい持ち方、動かし方などの基本的なことから、フロスや歯間ブラシなどの使い方を学ぶことができます。
3.まとめ
今回のコラムでは、
✓歯科を定期受診するメリット
✓歯科を受診する時のポイント
についてお伝えしました。
歯科に限らず、症状がないことに意識をするのは難しいことなのかもしれません。反対に、症状はあるけどこんなことで受診してもいいのかな、と悩んでしまう気持ちもわかります。
もしこのコラムを読んで、歯の健診・治療してみようかなと思っていただけると、とても嬉しいです。きっと将来、「あの時歯科受診していてよかった」と思える時期がくるはずです。
<参考資料>
・8020推進財団
・日本歯科医師会 歯の学校 なぜ?なに?歯医者さん
・日本歯科医師会 歯医者さんに行こう!
この記事を書いた人
冨永美紀
母親の入院で関わった看護師に心を打たれ、看護師資格を取得。
看護師の現場で、臨場の場に立ち会うことで『生死』について興味が沸く。
恩師の紹介でお寺とのご縁が結ばれ、2020年から密教塾生となり修行の世界へ。
現在は仕事と修行を両立するため岐阜県へ移住し、夫と犬2匹と自然豊かな場所で暮らす。
<経歴>
看護師歴10年
・腎臓内科、糖尿病内科、内分泌科病棟
・救急救命センター
・自由診療のクリニック
・コールセンター
・訪問看護ステーション
・家事代行業